【Aパートアイキャッチ ヒグマの解説】
とうぶどうぶつこうえん いたくらおにいさん(さいたま)による、11話に登場するフレンズの元となった動物「ヒグマ」の解説です。要約すると内容は次のようになります。
- 日本最大の陸上動物で、甘いものが大好き
- 性格は臆病で警戒心が強い。程よい関係が保てる動物である
- 好奇心が強いので知らないものをいじってしまい、びっくりして動いた人間が攻撃されること
けものフレンズ全編を通してみても、ヒグマは劇中最強のフレンズとして描かれています。後に明らかになることですが、舞台であるジャパリパークが日本列島を模しているという点も「最強のフレンズ」としてヒグマが位置づけられた理由かもしれません。
解説によれば、ヒグマは人に慣れすぎず、かといってなつかないわけでもない動物だと紹介されています。このあたりは、初対面のサーバルやかばんちゃんたちに対する態度に反映されているのかもしれません。あまりにも人に慣れすぎると、じゃれているつもりが人を傷つけてしまう、ということもあるはずなのでヒグマはそのあたりのバランスが取れた「程よい関係を保てる動物」だということなのでしょう。
ヒグマは強いだけでなく、社会経験(?)も他のフレンズよりも積んでいるように見え、今後そうした部分が見える描写が増えてきます。そのため、「好奇心が強い」という特徴は、ヒグマ自身の好奇心として描かれるというよりも、他のフレンズとの掛け合いを通じて描かれる場面が多いです。たとえば、「ほかのフレンズから頼りにされ、仕方なく応じているうちにさらに頼りにされる」といった感じをイメージしてもらえばいいかもしれません。
【Bパートアイキャッチ リカオンの解説】
よこはまどうぶつえんずーらしあ たじまおにいさん(かながわ)による、11話に登場するフレンズの元となった動物「リカオン」の解説です。要約すると内容は次のようになります。
- 英語ではアフリカンハンティングドッグ、ワイルドハンティングドッグという名前
- 細長い脚や大きな耳といった狩りに適した体型を持つ
- 持久力に優れ、数キロに渡って獲物を追跡して捉えるため、狩りの成功率が高い
リカオンは、劇中ではヒグマやキンシコウの後輩・見習いハンターのような立ち位置として描かれています。しかし、元動物の特徴を考えると、実際には非常に狩りが得意な動物であるということがわかるはずです。
体系的な特徴はもちろんのこと、「持久力に優れている」という点は野生動物として非常に魅力的なところでしょう。たとえば、第1話においてサーバルはさばんなちほーを闊歩する際、疲れと体温上昇をフォローするために休憩を必要としていました。一方、かばんちゃんは長距離移動に強く、それがヒトの特徴として対照的に描かれていました。
サーバルを見ればわかるように、野生の肉食動物に長距離移動が得意なものはそう多くありません。リカオンは独自の強みを活かし、また群れで狩りをすることによって生存のために重要な狩りの成功率を高めていると考えられます。
劇中に登場したフレンズのリカオンは、「巨大セルリアンの追跡」という役目を与えられ「荷が重い」と愚痴をこぼしていましたが、実際にはまさに適役だったと言えるでしょう。
【Bパート 背景にある飛行機の謎】
ラッキービースト(ボス)に従い、サンドスターの出る山を登っていたかばんちゃんたち。「五合目」まで到達し、一息入れることになります。
サーバル:はぁ、はぁ、結構来たね。ちょっと休まない?
かばんちゃん:うん、ごめんねサーバルちゃん。
サーバル:ふぅ。(腰を下ろす)かばんちゃん、みんなが心配なんだよね?
かばんちゃん:うん、何かとても怖い・・・のはいつもなんだけど、あれは何か・・・。
背後にある飛行機の残骸はB-2ステルス戦略爆撃機か?
山を登ってきたかばんちゃんとサーバルが休憩する、という何でもないシーンなのですが、背景にとんでもないものが映り込んだことから、本放送時にも話題なったシーンです。
背景に映り込んだものとは、飛行機の残骸、それも「B-2ステルス戦略爆撃機(通称:スピリット)」と思われるものでした。
https://ja.wikipedia.org/wiki/B-2_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
B-2は、アメリカ空軍のステルス戦略爆撃機である。開発はノースロップ・グラマン社が担当した。水平尾翼および垂直尾翼がない全翼機と言う特徴的な形をしており、愛称はスピリット(Spirit、魂、精神の意)。
実際にはこれが本当にB-2ステルス戦略爆撃機の残骸かどうかはそれほど重要ではありません。Wikipediaの記述を見ればわかるように、このB-2という航空機は非常に特徴的な姿をしており、ひと目でそれと分かる形状です。
つまり、演出側の意図としては「そこに航空機、しかも爆撃機の残骸がある」という事実に気がついてほしい」という意味がこのシーンに込められていると考えていいでしょう。
これまでさまざまな謎や不穏な空気を漂わせながらも、けものフレンズでここまで明確に「不穏の陰」がビジュアルで描写されたのははじめてのことです。
考えられる可能性は2つ。ひとつは、ここでこれまでのまったりとした心温まる展開は終わり、シリアスな展開で物語が締めくくられるという可能性です。もうひとつ、ここで「ひょっとして、ここからシリアス展開が始まるのでは?」と視聴者に心配させておき、実際にはほのぼのとした展開のままストーリーを完結させるという展開もあり得るでしょう。
結果から見ると、この時点での爆撃機の残骸のシーンには、両方の意図が込められていると考えられます。