【Bパート 第三の目撃者、タイリクオオカミ】
かばんちゃんとサーバルがミライさんからのメッセージを聞いていたとき、突如大きな悲鳴が聞こえました。悲鳴の主であるタイリクオオカミがいるロッジの外まで2人は急いで向かいます。
サーバル:大丈夫?
かばんちゃん:どうしましたか?
タイリクオオカミ:い、今、あそこに白いお化けが・・・!
サーバル:またそうやって脅かそうったって、もうだまされないよ!
タイリクオオカミ:違うんだ!今回のは本当に!
サーバル:またまたぁ!
かばんちゃん:サーバルちゃん、今日は様子が違うみたいだよ。
タイリクオオカミ:確かに白かった。形もフレンズで、耳だかツノだかがついていたが、聞いてたより全然大きかったぞ?あの木の上から下ぐらいあった。
サーバル:おっきすぎない?
かばんちゃん:何種類かいるんでしょうか?えっと、これまでにいたのって・・・。
タイリクオオカミ:一昨日の晩のアリツさん、昨日の晩にキリン、今は私だ。
サーバル:いっつも夜なの?
タイリクオオカミ:そうだな。
かばんちゃん:見た人も場所も、バラバラですね。・・・やっぱり、他にだれかいるんじゃ?
サーバル:近くに、ほかのフレンズの音や臭い、しないけどなぁ。
タイリクオオカミ:誰かが嘘をついて、いたずらしているのかも。
サーバル:じゃあ、オオカミでしょ!
タイリクオオカミ:私は嘘なんかついたことないよ?フフ・・・。
サーバル:そうなんだ。
かばんちゃん:ツノか耳・・・。
タイリクオオカミ:とりあえず、明日またみんながいるときに話してみよう。
かばんちゃん:はい。
サーバル:はーい!
タイリクオオカミ:そう、耳の形といえば、オオカミは満月の日に・・・
サーバル:ほら!またそうやって!
かばんちゃん:はは・・・。
白い影、三度目の出現
ロッジに現れた謎の影を目撃した人物は、今回で3人目になりました。目撃者はタイリクオオカミ、目撃した場所はロッジの外となっています。外はいつの間にか暗くなっており、すでに時刻は夜になっていると考えられます。
タイリクオオカミはこれまでなんども嘘をついてサーバルをからかっていたため、サーバルは最初なかなかタイリクオオカミの言うことを信じようとしませんでした。まさに「オオカミ少年」の寓話そのままの展開になってしまったわけです。
しかし、タイリクオオカミとの会話で影について、新たな情報がいくつか明らかになりました。まとめてみると以下のようになります。
- 耳、もしくはツノのようなものがついている
- 木と同じくらいの大きさがあった
- いつも出現するタイミングは夜
そして、これらの情報を元にしてかばんちゃんが影の正体の推理をはじめました。
影の正体についてのかばんちゃんの推理
かばんちゃんはまず、「目撃者によって大きさが異なる」という点に注目し、「影の正体は複数いるのではないか」という可能性を考えました。
また、同時に目撃された場所が毎回異なることから、「自分たち以外の別の誰かがいるのではないか」という可能性も指摘しました。ですが、この点はサーバルによって「ほかのフレンズの臭いや気配がしない」という発言によって否定されています。
影の正体は自然現象か?
そうなると、影の正体はフレンズやセルリアンではない、何らかの現象であると考えることもできます。たとえば、現実世界においても物陰や不思議なものが現れる自然現象はいくつかあります。代表的なものとしては「ブロッケン現象」などが有名でしょう。
https://matome.naver.jp/odai/2141905191816994801
ブロッケン現象(ブロッケンげんしょう、Brocken spectre)は太陽などの光が背後からさしこみ、影の側にある雲粒や霧粒によって光が散乱され、見る人の影の周りに、虹と似た光の輪となって現れる大気光学現象
リンク先の画像を見てもらえばわかりますが、光と粒子によって不思議な模様が現れています。この影は、欧米では「ブロッケンの妖怪」とも呼ばれ、影の正体が自然現象だと判明するまでは未知の怪物であるかのように扱われていました。かばんちゃんたちが遭遇しているのもこれと同じ、何らかの現象によって生み出された影かもしれないのです。
かばんちゃんはこのほかにも、ツノのようなものがあるという点も気にしていましたが、その点についてはこれ以上の情報は得られないと考え、保留しています。
「いつも決まって夜に現れる」、「見る人によって大きさが異なる」、「それなのに、周囲に他のフレンズの音や臭いがしない」・・・。これらの情報を組み合わせて考えると、現時点では謎の影の正体はフレンズやセルリアンではなく、何らかの現象である可能性が高いと考えられます。
問題は、どのような現象が生じているのか?その現象は果たして自然に、あるいは偶然に起きたものなのか、それとも誰かが意図的に引き起こしているものなのか、という点です。これらの謎が解けない限り、事件解決までの道のりはまだ遠いといえるでしょう。