壁を傷つけずに突っ張り棒で絶対落ちない棚を作る方法

突っ張り棒というと、「棚を作るのに使っている・使いたい」という方が多いと思います。様々なデッドスペースを活用できることから、突っ張り棒を使った棚は便利ですが、「あまり重いものを載せると落下する危険がある」という点に注意しなければいけません。

私も過去、突っ張り棒でいくつか棚を作りましたが、最初はうまくいっていてもある程度時間が経過すると落下してしまった経験が何度もあります。今回は、そうした試行錯誤の末に私が考えた「突っ張り棒で作る絶対落ちない棚」の作り方をご紹介しましょう。

なぜ突っ張り棒は落ちてしまうのか?

突っ張り棒が落ちる理由について、「張っていた棒が緩んでしまうからだ」と思っている方はいないでしょうか?実は、私もかつてはそう思っていました。たしかに、突っ張り棒は壁に対して垂直に設置せず、斜めにつけてしまったり、突っ張る力が不十分だったりすると落下してしまいますが、それだけが落ちる原因ではありません。

たとえば、安い賃貸住宅などの場合、壁が斜めになっていたり、歪んでいたりするケースが多々あります。

こちらの商品のように、壁に貼るだけで棚として使える「突っ張り棚」も広く普及していますが、壁そのものに問題がある場合どれだけちゃんと設置しようとしても限界があります。こうした「壁の歪み」が突っ張り棒が落ちてしまう原因のひとつです。

もうひとつ、大きな理由としてあげられるのが「突っ張り棒自体のたわみ」です。突っ張り棒を棚として使う場合、上にものを載せるわけですが、このとき、載せるものが重すぎると突っ張り棒がたわんでしまいます。突っ張り棒がたわむと、たとえどれだけちゃんと壁に密着させていたとしても、壁との間に隙間が生じてしまうため、突っ張り力が大きく低下します。結果として、残る密着部分だけでは重みを支えきれず、落下してしまうのです。

今まで「あまり重いものを載せていないのに、どうして落ちてしまうんだろう?」と不思議に思っていた方は、この「突っ張り棒自体のたわみ」が原因かもしれません。

突っ張り棒を使った「絶対落ちない棚」に求められる条件

私は突っ張り棒を使って落ちない棚を作るにあたって、以下のような条件を設けました。

①壁を傷つけない

②突っ張り棒がたわんでも落下しない

突っ張り棒を使って棚を作る方の多くは、住まいが狭く、デッドスペースを収納などに活用したいと考えているはずです。私の場合は賃貸住宅に住んでいるので、スペースに余裕が無いのはもちろん、壁を傷つけるわけにはいきません。ですから、①の条件を満たす必要がありました。

②は、突っ張り棒で棚を作ろうとして何度も失敗した経験から必要だと考えた条件です。突っ張り棒が落下して困るのは、壁と突っ張り棒が擦れて壁紙が剥がれたり、傷がついてしまうことです。なかには、「突っ張り棒と壁との間に両面テープを貼る」という方法を紹介している方もいますが、私はこの方法はおすすめできません。私も試したことがあるのですが、どれだけ突っ張り棒の接着面の安定性を高めたとしても、突っ張り棒自体にたわみが生じてしまえば無意味です。壁との間に隙間ができて落下につながります。

私が選んだ方法:壁との間に「支え」となる部分を構築

実際に私が作った棚の画像をご紹介しましょう。

私が作った棚は、突っ張り棒(今回の例は突っ張り棚ですが)を除くと4つのパーツから構成されています。

縦横2種類の板を組み合わせて枠を作る

突っ張り棒が落ちないようにするためには、支えとなる部分を作って下から重みを受け止められるようにするのが効果的です。私が選んだ方法は、角材を縦横に組み合わせた枠で支えを作る方法でした。おおよそ、厚さ10mm×幅20mm程度の板材・角材であれば、一般家庭で作る突っ張り棒の棚を支えるには十分でしょう。たとえば、次のようなサイズの木材がおすすめです。

縦に2本、横に2本の木材を用意し、適当な長さにカットします。先に示した画像のように、棚を設置したい高さの部分に横用の木材を木ネジを使って取り付けてください。写っていませんが床近くにも同様に横向きの木材を取り付けて安定性を高めてあります。突っ張り棒はこの枠の上に載せるようにして設置すればいいわけです。これで、突っ張り棒のたわみで落下する心配はなくなりました。

壁と枠の間を粘着シートで保護する

画像の中で赤い丸で囲った部分は、100円ショップで売っている粘着シートです。木で作った枠が壁と直接触れ合わないよう間に挿入してあります。これで、壁を傷つけないという条件も達成できました。

ちなみに、使用する粘着シートには何を使ってもいいのですが、私はダイソーで売っている「衝撃吸収パッド」をおすすめします。いろいろな商品を試しましたが、最も粘着力と安定性に優れている製品です。(水分に長期間触れると溶けてしまうので気をつけてください)

適当でも落ちないのが魅力の突っ張り棚

今回ご紹介した方法のメリットとしては、「壁を傷つけない」、「突っ張り棒がたわんでも落下しない」という点が挙げられますが、「厳密に寸法を測ったりしなくても、なんとなく作ることができる」という点も見逃せません。私もそうですが、このように棚を作ろうとしたとき厳密に寸法を計算したりするのが面倒だという人もいるでしょう。

画像を見てもらえばわかりますが、上下の木材は適当にはみ出ししていますし、私はまったくそういった工夫をしていません。が、棚自体の性能にはまったく問題ないのがこの方法の大きな利点です。「細かく正確に作業するのは苦手だけど、できるだけ大雑把で手軽に安く突っ張り棒で棚を作りたい」という方にはおすすめの方法です。