けものフレンズ8話感想その16:プリンセスが去った後のPPPとマーゲイ

 

けものフレンズ8話感想その15:本番直前に吹き出したプリンセスの悩み

 

【Bパート マーゲイとPPP(ペパプ)メンバーの決意】

「ロイヤルペンギンは初代、二代目PPPにはいなかった」。そのことがほかのメンバーの前でそのことを明らかにされた途端、プリンセスの様子が一変してしまいました。自信をなくし、ほかのメンバーに「勝手にして」と伝えたプリンセスは本番直前の舞台袖から一人姿を消してしまいます。

 

イワビー:なんだよ・・・。

マーゲイ:すみません!私・・・。

コウテイ:マーゲイさんは悪くないよ。

ジェーン:どうしましょう!もう出なくちゃお客さんが!

コウテイ:追いかけよう!

イワビー:ほっとけよ!勝手にしろって言われたじゃねぇか。

(マーゲイ、何かを決意しそっと手を挙げる)

(PPP、4人でステージに上る)

 

悩めるプリンセスの本心とは?

前回はPPPメンバーの視点に立って考えてみましたが、今回は問題の張本人であるプリンセスについて考えてみましょう。前回の考察でも述べましたが、プリンセスは自分の本心を語らずに出ていってしまったため、現時点では何が問題なのか、推測に頼って考えざるを得ません。

 

プリンセスが何に悩んでいるのか、以下のような可能性が考えられます。

 

①初代、二代目にいなかったロイヤルペンギンがお客さんに受け入れてもらえるか心配

②初代、二代目にロイヤルペンギンがいなかったことを他のメンバーに黙っていたのを気にしている

③本番直前にずっと気にしていたことを指摘され、プレッシャーに押しつぶされてしまった

 

先に結論から言ってしまうと、プリンセスはこれら①②③の全てに悩んでいたことが後に明らかにされます。しかし、この時点においてそれがどこまで推測できるのかあえて考えてみましょう。

 

自分の悩みをほかのメンバーに隠していたプリンセス

まず、①についてですが、プリンセスがこの点に悩んでいたとしたら、それを示すシーンがここまでの劇中に挿入されているはずです。思い当たるシーンと言えば、Aパートのお披露目直前、かばんちゃんとサーバルが木に登るシーンの手前に挿入されていた「舞台袖で深呼吸をするプリンセス」があります。

 

けものフレンズ8話感想その3:かばんちゃんの木登りとサーバルの耳

 

あのシーンについて考察したとき、「ここは非常に重要なので覚えておいてほしい」とお伝えしましたが、その理由はあのシーンこそがプリンセスの悩みを視聴者に伝える伏線になっていたからです。

 

お披露目の後、現在のシーンに至るまで、プリンセスはまったくステージに立つことにプレッシャーを感じている様子がありません。常に他のメンバーに気を配り、激励する存在であり続けてきました。しかし、あのシーンが描かれていることによって、実はそうしたプリンセスの態度は他のメンバーを勇気づけるためのポーズに過ぎず、本音では他のメンバー同様、あるいはそれ以上にプレッシャーを感じていたのだということがわかります。

 

そのように考えると、プリンセスが「②ロイヤルペンギンがいなかったことを他のメンバーに言わなかったこと」にも頭を悩ませていたのだと理解できるはずです。なぜなら、もし初代、二代目にいなかったことをプリンセスが気にしていないのであれば、練習のためにも他のメンバーに初代・二代目の映像を見せるのが筋でしょう。

 

以前の考察でも触れたとおり、パーク内には初代・二代目PPPを記録した映像が残されていると思われます。そして、おそらくプリンセスはそれを見ているはずですが、他のメンバーは初代や二代目のことを知らなかったことからもわかる通り、映像は見ていないと思われます。

 

おそらく、意図的にプリンセスが初代や二代目の映像が他のメンバーに見られないようにしていたのでしょう。そして、その理由は「初代・二代目にロイヤルペンギンがいなかった」という事実を他のメンバーに隠しておきたかったからと考えるのが自然です。

 

以上のことから、プリンセスは①以前のメンバーにロイヤルペンギンがいなかったこと、②そのことを他のメンバーに隠していたことが明らかになってしまったことで、③今まで胸の奥にしまっていたプレッシャーに押しつぶされ、姿を消してしまったのだと考えられます。

 

プリンセス退場後の周囲の反応

プリンセスがいなくなった後の、他の面子のリアクションもまた様々です。マーゲイはプリンセスがいなくなったのは自分のせいだと責任を感じています。しかし、時間が立てばいずれはわかることですから、たとえマーゲイの発言がなかったとしてもいつか問題は顕在化していたでしょう。

 

ただし、アイドルとしての実績をある程度積み重ねた後であれば、プリンセスもプレッシャーに耐えることができたかもしれません。そういった意味では、初ライブの直前というタイミングだけは最悪だったといえます。

 

本番の時間が迫っていることから、ジェーンはお客さんの様子を気にしますが、コウテイはプリンセスを追いかけようと提案します。しかし、イワビーは「勝手にしろと言われたのだから、放っておけ」と冷たく言い放ちました。なぜこのようなりアクションの違いが生じたのでしょうか?

 

イワビーの冷たい反応は、心配の裏返し

ジェーンとコウテイの反応はそれぞれ自然なものです。アイドルである以上、予定通りライブを行わなければなりません。また、ユニットである以上、仲間が問題を抱えているのなら手助けして上げなければならないのもまた事実です。

 

しかし、本番の時間が迫っている中で、中核となるメンバーの不在という状況では、その療法を解決するのは困難です。

 

そんな中、イワビーの提案は一見非常に冷徹に見えます。つまりは、「プリンセス抜きでライブを始めよう」と言っているわけで、もしそうしてしまえば結果的にプリンセスを見捨ててしまうことになってしまいます。現時点において最も現実的な方法ではありますが、それだけにそう提案したイワビーはプリンセスに対してとても冷たい態度をとっているように見えます。

 

しかし、この時点でのイワビーの心情を考えてみれば、必ずしもそうとはいえません。これまでの考察でご紹介してきたように、イワビーは「ファンの前に出ると緊張する」というプリンセスと近い悩みを抱えていました。

 

だからこそ、プリンセスの態度が変わったときも真っ先に心配し、かつ一番最初にプリンセスの抱える悩みの本質に気がついています。それなのに、そんな彼女に対してプリンセスが言い放った言葉は「歌って踊れるだけあなた達よりマシ」、「勝手にして」という心無いものでした。

 

もちろん、イワビーもそれがプリンセスの本音だなどと思っているわけではないでしょう。しかし、「悩みがあるなら相談しろ」といったにも関わらず頑なに心を閉ざし、立ち去ってしまったプリンセスの態度に対しては腹がたったはずです。このように考えると、イワビーが一見冷たい態度を取ったのは、それまでプリンセスに対して行った気づかいの裏返しであったことがわかります。

 

マーゲイと4人のPPPメンバーが下した決断

今回取り上げたシーンのラストは、何かを決意した表情でおもむろに手を上げたマーゲイとプリンセス抜きの4人でステージの登るPPPの様子が映し出されています。このシーンからわかることは、「事態を解決するためにマーゲイが何か策を考えた」ということ、そして「PPPメンバーはプリンセス抜きでライブを始めるという決断を下した」ということです。

 

彼女たちがどのように問題を解決に導くのか、クライマックスに向けてストーリーの展開が加速していきます。

 

 

 

 

 

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コンテンツの魅どころ

Webライター・マーケティングコンサルタントとして活動しています。実務を通じて学んだマーケティングに関するノウハウや最新情報をわかりやすく提供していきたいと思っています。 また、時事に関わるニューズをマーケティング・ライティングといった切り口から解説してみたいと思います。

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