けものフレンズ6話感想その4:へいげんちほーの合戦とライオンの頭がいい謎

 

けものフレンズ6話感想その3:ライオンとプライド(群れ)と合戦

 

【Aパート 合戦とは何か?】

ライオンから「合戦が近いからみんな気が立っている」と聞かされたかばんちゃんは、「合戦」とはどのようなものか詳しい話を聞くことにしました。

 

かばんちゃん:合戦って、誰と?

ライオン:ヘラジカたちとね。へいげんちほーは、うちとヘラジカたちで縄張り争いをしててね。私も?任されたからにはやるけどさぁ。正直そんなタイプじゃないんだよね~。お外でゴロゴロしてたいなー。みんな血の気が多いよね~。

サーバル:うふふふふ。やめちゃったら?

ライオン:やめようって言ってるんだけど、向こうがむきになってやめてくれないんだよね~。「この城を落とす!」ってさぁ。最近はいっそ負けようとしてんだけど、あんまりにも一直線に攻めてくるから、私が出るまでに部下だけで勝っちゃうんだよね。

サーバル:どれくらい続けてるの?

ライオン:51回かな?

サーバル:何回勝ってるの?

ライオン:51回だね。

サーバル:全勝?

 

なぜへいげんちほーにだけ「なばわり争い」があるのか?

ライオンの説明により、「合戦」とは「ヘラジカとの勝負」であることが確かめられました。これまでもオーロックスやアラビアオリックスなどがときどき口にしていた「ヘラジカ」という名前ですが、今回改めてライオンたちのプライドから見た「敵の大将」であることが判明します。

 

ライオンとヘラジカの争いは、単なる個人の争いではなくへいげんちほーをあげた縄張り争いである、という事実も判明しました。今まで通ってきたちほーにはそういった争いはないため、「なぜへいげんちほーだけこのような争いがあるのか」という疑問は残ります。

 

ライオンよりウシの仲間の方が「血の気が多い」

ライオンの言葉を信じるなら、ライオンは「本来はリーダーというタイプではないが、周囲によってリーダーに祭り上げられている」ことになります。後の描写を見る限りおそらくこの言葉は本当で、ライオンは性格は温厚でのんびりしていますが、その実力を買われてほかのメンバーからリーダーに選ばれたのだろうと推察できます。

 

闘牛などの競技が存在することからもわかるとおり、牛は一般的に強気な動物です。それに対してライオンは1日に20時間も休憩するなどのんびりした性格です。元動物の性質がフレンズの性格に反映されているとすれば、ライオンが「私はのんびりしていたい。みんな血の気が多い」というのもうなずけます。

 

強気なのはライオンの部下だけでなく、ヘラジカも同じようです。合戦という以上、相手の裏を書くような作戦を使ってもかまわないはずですが、何度負けてもひたすら城をめがけて直進してくるということは、血気盛んなだけでなくあまり頭のいいフレンズではないのでしょう。

 

サーバルとライオン、ネコ科同士の会話

ライオンとサーバルが会話している間、途中へいげんちほーや合戦の様子を示すイラストも描かれますが、ライオンとサーバルが壁や畳で爪とぎをしたり、紙風船を転がしあって遊ぶシーンも描かれます。

 

愛らしいシーンでもありますが、先ほどまで緊張していたサーバルとライオンがお互いにリラックスして本音で語り合っているさまを表現しているものでしょう。ある意味ではネコ科同士の「ガールズトーク」といってもいいかもしれません。

 

数年間続いている合戦

これまで、時間経過を感じさせるものが登場するたび、「ジャパリパークからヒトがいなくなってどれくらいの時間がたったか」を考えるヒントにしてきました。今回は「ヒトいなくなってからの期間」ではありませんが、「合戦の頻度と回数」から、「ライオンとヘラジカが争い始めてからの期間」を考えてみたいと思います。

 

  • 合戦は51回行われた
  • 次の合戦は来週行われる

 

ここまでの描写から以上のような事実がわかっています。次の合戦の日時を「来週」と表現していることから、合戦が最も短いスパンで行われているとしても「毎週以上」のペースでしょう。従って、「ライオンとヘラジカが戦い始めてからの時間経過」は次のようになります。

 

合戦の頻度:現在の経過期間(51回目)

毎週:約1年

2週に1度:約2年

月に1度:約4年

 

もちろん、これ以下の頻度で行われている可能性もありますが、仮にこの程度の頻度で行われているとしたら1年以上、ライオンとヘラジカの争いは続いていることになります。この点は極めて重要な情報なので覚えておいてください。

 

へいげんのフレンズは生まれてから数年が経過している?

なぜ合戦の頻度が重要なのかというと、「それに参加しているフレンズの年齢が推測できる」からです。ここでいう「フレンズの年齢」とは正確には「(動物か、その遺物からかはともかく)フレンズ化してから経過した年月」という意味です。

 

劇中「年齢」が明らかになっているフレンズはそう多くはありません。たとえば、かばんちゃんはもしサーバルと出会ったのが生まれた日の当日か翌日であれば、「今年生まれ」ということになります(この点は後に明らかになります)が、そのほかのフレンズも、今までに登場したものはそれほど年齢を重ねているようには見えません。

 

フレンズ化に伴う体の変化に戸惑っていたトキ、アルパカ・スリ、フレンズの体にあった家の形を模索中だったアメリカビーバー、オグロプレーリードッグなどは明らかにまだフレンズ化してからあまり時間が経過していないでしょう。

 

逆に、フレンズ化してから長い時間が経っていそうなフレンズとしては、サーバルに色々アドバイスしていたカバや、パークのことに詳しいツチノコなどが挙げられます。

 

では、6話に登場したフレンズがどうかといえば、フレンズ化の前後で住む地域を変えていない限りは「合戦が始まったころに生まれた(フレンズ化した)」と考えられるはずです。少なくともリーダー格のヘラジカとライオンはそのころ生まれたと考えて問題ないでしょう。

 

もちろん、「フレンズ化してからしばらくは群れもつくらず、合戦もせず静かに暮らしていた」という可能性など、不確定要素を多分に含む推測なので確実なことはいえません。とはいえ、ここで重要なのは、ライオンのあの「頭の切れっぷり」は「年齢を重ねていることからくるのではないか」と考えることもできるという点です。

 

6話で新たに描かれる「群れ」や「合戦」といった要素は、動物よりもかなりヒトの社会性に近いものです。6話以降もこういう要素は徐々に増えていき、フレンズを通じて「動物が社会性を持ったらどうなるのか?」が暗喩されているような雰囲気が徐々に醸し出されていきます。そうした、けものフレンズ後半に漂う独特の空気もこの作品の大きな魅力だといえるでしょう。

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Webライター・マーケティングコンサルタントとして活動しています。実務を通じて学んだマーケティングに関するノウハウや最新情報をわかりやすく提供していきたいと思っています。 また、時事に関わるニューズをマーケティング・ライティングといった切り口から解説してみたいと思います。

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