【Bパート サンドスターが吹き出す山の謎】
かばんちゃんとサーバルがラッキービーストからのメッセージを聞いていた間、ギンギツネとキタキツネは分離器の手入れを完了していました。
(源泉の配管から、勢い良く温泉水が噴出される)
ギンギツネ:よし、これで任務完了ね。ついでに温泉も元通りよ。
サーバル:うわぁ、すごい量だね。
(周囲の霧が晴れ、サンドスターが吹き出す山が見える)
サーバル:あっ、山がこんなちかくまで。
かばんちゃん:サンドスターの出る山だね。
ギンギツネ:あの山、ほかにもいろんな逸話があるわよね。一度見てみたいわ。
サーバル:あの山ってどうなってるんだろう?ギンギツネ知ってる?
ギンギツネ:私もまだ行ったことないわ。違うちほーだしね。それに、神聖な場所だから入るには博士の許可が・・・。
温泉の修理は無事完了
かばんちゃん、サーバルと別行動をとっていたギンギツネ、キタキツネによって、分離器に詰まっていた湯の花は取り除かれました。それによって、源泉から勢い良く温泉水が麓に向かって放出されることになります。
放出された温泉水は木製の樋(とい)を使って麓まで運ばれているようです。樋に蓋はなく、開放された状態で運ばれていることから、源泉でも十分な温度があるか、あるいは冷めてしまわないほどの大量の湯量が放出されている、もしくは案外麓までの距離はそう遠くないのかもしれません。
現れた「サンドスターの出る山」
ここで周囲の視界が晴れ、一同の前にサンドスターが出る山が姿を表しました。自然と会話はその山に関することになりましたが、彼女たちの会話により、山は単にサンドスターを噴出するばかりの場所ではなく、いろいろな逸話のある場所であることが判明します。
とはいえ、ギンギツネも異なるちほーにあるという問題の山には行ったことがなく、詳しいことはわかりません。ただ1点、「山は神聖な場所なので、入るには博士の許可が必要」ということだけがわかりましたが、これは非常に重要なヒントだといえるでしょう。
9話においては、いつもはBパートの後に挿入されているアライさんとフェネックのパートがBパートの前に挿入されるという特別な編成が取られています。その理由は特に説明されていませんが、今回のギンギツネのセリフを受けてその理由が明らかになりました。
過去に行った該当部分の解説において、「アライさんとフェネックは、博士から山に入るための許可を貰おうとしているが、その山がどの山なのかははっきりしていない」とご説明しました。しかし、今回ギンギツネはサンドスターの出る山を「神聖な山」と表現しています。同じ表現で語られたのは、劇中においてはこの「アライさんとフェネックが入ろうとしている山」以外にはありません。
つまり、先にアライさんとフェネックが山に入るための許可を得ようとするパートを描き、その後で、サンドスターの出る山について「神聖な山」という特別な表現をすることによって、アライさんとフェネックが目指している神聖な山=サンドスターの出る山であるということを視聴者が理解できるように説明しているのです。
もちろん、こんな手の込んだことをせず、アライさんとフェネック、あるいは博士たちのセリフの中で神聖な山=サンドスターの出る山と説明することはできます。たとえば、博士のセリフとして次のようなものを挿入すればいいのです。
博士「あのサンドスターの出る山は神聖な山なので、おいそれと入る許可は出せないのです」
しかし、これでは無駄に説明的なセリフが増えてしまいます。それであえてアライさんのパートをBパートの前に挿入し、その後ギンギツネという別の登場人物の口から、別の部分で山に関する説明を行わせることによって、視聴者に必要な情報が自然と伝わるようにしているのです。