けものフレンズ2話感想その14:コツメカワウソとジャガーが、かばんちゃんたちを助けた理由

 

前回記事:【2話 その13】アニメ感想「けものフレンズの謎」:ジャガーのセリフに隠された巨大セルリアンの伏線

 

【Bパート ジャガー・カワウソとアンイン橋へ】

ラッキービースト:ジャガーはネコ科では珍しく、泳げるんだ。

ジャガー:ふふん、そうよ~!あれ?ボスって喋れたっけ?

かばんちゃん:それでこのお仕事を?

ジャガー:そう、渡れなくて困ってる子が多かったからね。さぁ!大きい川に出るよ!

 

カワウソと出会う直前にフリーズしてしまっていたラッキービーストが、いつの間にか復旧しています。どういう条件で復旧されるのかはわかりませんが、時間経過と場所の移動が条件の一部である可能性があります。

 

ラッキービーストが喋れることを、サーバルだけでなくジャガーもいぶかしんでいます。このことから、やはりラッキービーストは通常フレンズとは会話しないことが裏付けられました。

 

いかだの上にいる3人の様子を見ると、サーバルは正座(ただし、腿とふくらはぎがくっつかず浮いている)、かばんちゃんは女の子座り、コツメカワウソはあぐらをかいています。サーバルはいかだを動かすジャガーに目線を合わせているので、ジャガーが気になって見ているのでしょう。過去に「私よりも強いネコ科の子もいる」というセリフがありましたが、同じネコ科で自分よりも強そうなジャガーに興味があるのかもしれません。元動物のコツメカワウソは寸胴で、体の両脇に足がくっついたような形をしています。その状態で座るとトカゲやイモリのように体を丸めるような格好になります。それを人形で表現したのが「あぐら」という座り方ではないでしょうか。

 

ジャガーは劇中初登場の「仕事」をするフレンズ

注目すべきは、かばんちゃんがジャガーがいかだで人を運んでいることを、「仕事」と表現しているところです。けものフレンズでは未知の単語がいきなり出てくることも少なくありません。そうしなければストーリー展開上支障をきたすからですが、少なくともフレンズたちの間に「仕事」という概念があると確かめられました。

 

ジャガーは、ストーリー上初めて登場した「仕事を持つフレンズ」です。仕事をしているフレンズは後ほど何名か登場しますが、仕事をしていないフレンズに比べて社会性を持っている分、ヒトに近いといえるかもしれません。

 

今まで登場したフレンズを見ても、社会性の高さにはそれぞれ違いがありました。たとえば、じゃんぐるちほーの序盤で登場したフォッサやアクシスジカといったフレンズは、動物のころとほぼ変わらない原始的な生活を送っていると推察されます。

 

一方、「道具を使って遊ぶ」という特徴を持つコツメカワウソや、「踊り」が好きなインドゾウなどは、文化的な趣味を持っているため彼らよりはいくらかヒトの近いといえますが、個人レベルにとどまっているため「社会性がある」とはいえません。

 

「仕事用の道具を自分で調達した」という特殊性

そんな中、ジャガーは仕事という「社会と関わることを前提とした行為」を日常的に行っているのです。いかにこれまでの登場人物と比較して特異な存在であるかがわかります。

 

ジャガーは「仕事」を始めた理由として、「川を渡れなくて困っている子が多かったから」と答えています。つまり、ジャガーは川を渡れなくて困っている人を今までにも何人か向こう岸まで運んであげていた、ということです。おそらく、最初は一人ずつ、背中に乗せて運んであげていたはずですが、「もっといい方法がないか?」と考えた結果、いかだを使って運ぶ方法を考えたのでしょう。

 

当たり前ですが、ジャガーには元々いかだのような道具を作る能力はありません。よって、このいかだをどうやって調達したのかが問題になりますが、映像でいかだをよく確認すると手すりがついているなど通常のいかだにはない特徴があることがわかります。形状から判断するにおそらくはコツメカワウソが滑り台にしていた構造物と同じく「過去に破壊された橋の破片」ではないでしょうか?ちょうどいい形をした破片を見つけ、余計な部分をカットして「いかだ」として使っていると考えれば辻褄は合います。

 

なぜコツメカワウソとジャガーだけが、かばんちゃん達を手伝ってくれたのか?

これらのことから、ジャガーのキャラクター性をいくらか読み取ることができます。

 

  • 困っている人を放っておけない、姉御肌な性格
  • 繰り返し人を運ぶうちに、いくらかの社会性を身に着けた

 

先ほどは「社会性がある」という点に注目していましたが、「姉御肌な性格」という特徴も重要です。サーバル・かばんちゃんについてきたコツメカワウソと同じく、ジャガーもこれから2人がジャパリバスに乗るのを手伝うことになります。しかし、これもまたひとつの謎を生むことになります。

 

すなわち、「なぜコツメカワウソとジャガーだけが、サーバルとかばんちゃんを手伝ってくれたのか?」という謎です。2話は一瞬だけ登場したキャラクターも含めて、非常に多くのフレンズが登場しました。しかし、多くのフレンズは軽く挨拶を交わす程度で別れてしまい、かばんちゃん一行についてくることもありませんでした。にもかかわらず、なぜコツメカワウソとジャガーだけが2人に付き添い、手伝ってくれたのでしょうか?

 

「遊ぶ」ためについてきたコツメカワウソ

コツメカワウソが、2人についてきた理由は「ジャガーのいかだに乗りたかったから」です。これまでの考察で、「コツメカワウソは道具を使って遊ぶのが好きなキャラクターである」という説明をしてきました。彼女にとっては、ジャガーのいかだで川を渡るのは「遊び」と同じです。「最高に楽しい」、「自分で泳げるのについ乗っちゃう」とったコツメカワウソの自身のセリフからもこの点は裏付けられています。

 

逆に考えると、「道具を使って遊ぶのが好き」というキャラ付けが、ストーリー上重要な意味を持っていたということが理解できるでしょう。このキャラ付けがないと、コツメカワウソがかばんちゃん一行についてくる、必然的な理由がないからです。

 

「なぜ数あるフレンズの中でコツメカワウソだけが、かばんちゃん一行についてきたのか?」

 

この点に説得力のある理由付けをするために、わざわざ滑り台やお手玉で遊ぶシーンを挿入して、「道具で遊ぶのが好き」というコツメカワウソのキャラクター性を強調する演出が取られていたのです。

 

では、ジャガーがかばんちゃん一行についてきた理由、言い換えると「ジャガーにかばんちゃん一行を自然な流れで『手伝わせる』ための理由付け」はどのように描かれているのでしょうか?この点もコツメカワウソと同様に、ジャガーの「キャラクター性」に根拠をおいて表現しています。

 

ジャガーは川を渡れない人を助けてあげるような、姉御肌の頼れる性格です。1話で出てきたカバと比較すると、カバが「心配症で世話焼き」なのに対して、ジャガーは「頼まれると嫌とはいえない性格」というふうに差別化されています。

 

今回は、「いつもやっているいかだでの輸送を頼まれたから乗せてあげただけ」ですが、ジャガーはその後ジャパリバスの復旧も手伝うことになります。2話のクライマックスとも言える「橋づくり」のシーンでは、ジャガーの「頼まれると嫌とは言えない性格」が描写されるので、今後の考察で明らかにしていきたいと思います。

けものフレンズ2話感想その15:ジャパリバスへのリアクションの違いと、バスがそこにあった理由

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