前回記事:【2話 その9】アニメ感想「けものフレンズの謎」:コツメカワウソの「たーのしー!」が及ぼした恐るべき影響
【Aパート コツメカワウソとの出会い】
コツメカワウソ:私、コツメカワウソ。今日はいい滑り日和だね!君たちも遊びに来たの?
サーバル:ううん、歩いてきたんだけど、ここで道がなくなってて・・・。カワウソ、何か知らない?
コツメカワウソ:ここ通る子なんて見たことないなー。結構前から私の遊び場だよー。さーて、もうひと滑りしちゃおーっと!
サーバル:あーっ!待って待って!
かばんちゃん:あの、アンイン橋に行きたいんですけど、何かご存じないですか?
コツメカワウソ:ん?それならジャガーちゃんがここ通るころ、乗せてってもらえば?
かばんちゃん&サーバル:えっ、乗る?
コツメカワウソ:あれも最高に楽しいんだよ~!私なんか自分で泳げるのに、つい乗っちゃうもんねー!
紹介するセリフが少し多いですが、このシーンからは多くの情報が得られるので、順番に考察していきましょう。
コツメカワウソは「道具を使って遊ぶ」のが好きなフレンズ
まず注目してもらいたいのは、コツメカワウソのセリフです。「君たちも遊びに来たの?」、「結構前から私の遊び場だよ」といったセリフから、コツメカワウソが普段、このあたりで遊んでいることが読み取れますが、それよりももっと重要なことがあります。
それは、コツメカワウソが「滑り台」を滑り降りることを「遊び」と表現している点です。ですが、これだけだと当たり前のことで、何が重要なのかわかりにくいかもしれません。
これまでにも、「遊び」をするフレンズは登場してきました。まずサーバルが「狩りごっこ」で遊んでいますし、先ほど登場したインドゾウも「踊り」をしています。ですから、けものフレンズの作中に「遊び」という概念があることは自明であるといえます。
しかし、コツメカワウソの遊びには今までの遊びと決定的に違う点があります。それは、滑り台という「道具】を使っているという点です。先に結論を言ってしまうと、コツメカワウソは「道具を使って遊ぶのが好きなフレンズ」なのです。
コツメカワウソが「道具を使って遊ぶのが好き」という証拠はこれからいくつも出てきます。この直後に意思でお手玉をするシーンがありますし、そもそも元になった動物のコツメカワウソも道具を使って遊びます。このコツメカワウソの好み(習性)は、この後のストーリー進行において極めて重要な意味を持ってきます。
「橋がいつなくなったのか」を想像するのは難しい
次は一旦カワウソのことは忘れて、世界観について考察してみましょう。コツメカワウソの「ここを通る子は見たことがない」、「結構前から私の遊び場」という発言から、「コツメカワウソがこの川で遊びだしたころには、すでに橋はなく通行できなくなっていた」ということがわかります。
ただし、コツメカワウソの年齢がわからないため、具体的にどのくらいの時間が経過しているのかはわかりません。このように、時間経過を表すシーンでは具体的な時間がイマイチわかりにくいのがけものフレンズの特長です。おそらく、「視聴者一人ひとりが、好きに想像してほしい」と考えているのではないかと思います。
ジャガーは「何かの道具を使って」2人を輸送してくれるらしい
再び視点をコツメカワウソのセリフに戻して考察を続けたいと思います。コツメカワウソによれば、「ジャガーがここを通りかかるであろうこと」、「川を渡りたい人を『乗せていってくれる』らしい」ことがわかります。具体的に「何にどう乗せてくれるのか?」はまだわかりません。
コツメカワウソは、「あれも最高に楽しいんだよ」と言っています。「あれ『も』」と言っているということは、「ジャガーに乗せてもらうこと」と同じくらい楽しいことがほかにもある、という意味でしょう。前後の文脈から、それは「滑り台で遊ぶこと」であるのは明白です。
実は、もしこの時点で「コツメカワウソは道具を使って遊ぶのが好きなのではないか?」ということに気づいていれば、「滑り台とジャガーに乗せてもらうことを同列に語っているということは、ジャガーも『何らかの道具を使って、川を渡りたい人を運んでくれるのではないか?」という予測をすることもできます。まあ、わざわざそんな考察をしなくてもジャガーの輸送法は直後のシーンでわかりますが。
この後、ジャガーがどうやって2人を運んでくれるのかを知っていれば、実はそれも「コツメカワウソが道具を使って遊ぶのが好き」という仮説を裏付ける証拠だということが理解できるでしょう。続きは、また次回、ジャガーに関する考察を行うときにとっておきたいと思います。