けものフレンズ7話感想その22:PPP(ペパプ)ライブチケットともう一つの副賞

 

 

【Bパート 料理の副賞とは?】

博士から、「ヒトはいなくなったが、今もどこか知らない場所で暮らしているかもしれない」と告げられたかばんちゃんとサーバル。新たな旅の目的を「ヒトが暮らしているところを見つける」ことに設定しますが・・・。

 

アフリカオオコノハズク(博士):あと一つ、ヒトの近くには・・・

サーバル:あっそうだ、副賞になにかくれるって言ってたよね。なになに?

ワシミミズク(助手):話題騒然、今どこに行っても手に入らない「PPP(ペパブ)復活祭」のチケット。しかもVIP待遇で握手付きです。・・・と、これも。

かばんちゃん:ペパブ?あと、これって・・・。

サーバル:おおっ!すっごーい!PPPが見られるんだ!えっとね。アイドルって言って、踊ったり謳ったり、なんかすごいんだって!

かばんちゃん:もらっちゃっていいんですか?

助手:我々の頭脳で運営を手伝ったお礼にもらったのです。

博士:我々、騒がしいのはあまり得意ではないので、あげるのです。

 

博士のセリフを遮ったのはサーバルの気づかいか?

ヒトがいなくなったことと、今もどこかで暮らしている可能性に関する話の中で、最後に博士が意味深なことを伝えようとしました。ところが、サーバルが「そういえば副賞をくれるっっていってたよね」と話を遮ってしまったのです。

 

博士がこのとき言おうとしていた内容自体は、続く別れのシーンの中で描かれるため特に問題はありません。しかし、「サーバルが意図的に話を遮ろうとしたのか、それとも偶然遮ってしまったのか」は疑問が残ります。

 

前回の考察で触れたとおり、この会話の中におけるサーバルは明らかに自分の今後について不安を抱える可能性があるかばんちゃんに対する気遣いが見られます。従って今回も、なにか不穏な内容を博士が話そうとするのを察知して話題を変えようとした可能性もないとはいえません。ですが、そうしようとした決定的な証拠もないので「どうとでもとれる」ように描かれているといったほうがいいでしょうか。

 

ジャパリパークで全国的に知られるPPP(ペパプ)

博士と助手が料理の「副賞」としてくれたのは、PPPのライブチケットでした。PPPはペンギンのフレンズ5人からなるアイドルユニットで、本アニメの次回予告で登場しているのですでに視聴者にとってはおなじみの存在です。

 

正確に言えば、PPPが何者であるか、なぜ次回予告を担当しているのかといった理由自体が劇中で明言されたことはありません。しかし、PPP自体はアニメに先行して作られていたゲーム版「けものフレンズ」などの作品に登場しており、ゲーム版以来の作品ファンやネットでの情報検索などでそうした情報は知り得る状態にありました。

 

少し驚くべきことは、サーバルまでもがPPPのことを知っていたということです。何度か述べてきたとおり、さばんなちほーのフレンズたちはほかのちほーに比べてより動物に近い暮らしをしており、ジャパリパークの中では「田舎」だと考えられます。

 

 

そんなさばんなで暮らしていたサーバルでさえ知っているのですから、PPPの知名度は全国的なものだと考えていいでしょう。

 

かばんちゃんは「もうひとつの副賞」を知っていた?

このとき、PPPのライブチケットを手渡した助手が、それと合わせて小さな箱のようなものをかばんちゃんに差し出しています。実は、ここで手渡されたもう一つの副賞が、今後ストーリーの中で重要な意味を持つことになるのです。

 

「もう一つの副賞」を見たかばんちゃんのリアクションは「これって・・・」というものでした。このリアクションには2通りの解釈ができます。ひとつは、「これって(なんですか?)」というもの。この場合、かばんちゃんはもう一つの副賞について「何なのか見当がつかない」という解釈になります。

 

もう一つの解釈とは「これって(もしかして◯◯ですか?)」というものです。こちらの解釈の場合、かばんちゃんは渡されたもう一つの副賞の正体について「何なのか見当がついている」といいう解釈ができます。後のストーリー展開から、かばんちゃんのこのときのリアクションは後者の方であったことがわかりました。

 

かばんちゃんがもうひとつの副賞に見当がついた理由

後のストーリーを知っていればもちろん箱の正体はわかるはずですが、そうでなくとも現時点においてある程度推理できる材料は揃っています。箱についてかばんちゃんが「何なのか見当がついている」という解釈を取る場合、以下の様なことがわかります。

 

それはかばんちゃんが知っているものである

かばんちゃんがそれを知るきっかけが、劇中の何処かで描かれていたはずである

 

まず、かばんちゃんにはサーバルと出会う以前の記憶がありません。ですから、一部の例外をのぞいて「かばんちゃんが見たもの、触れたもの、聞いたもの」はすべてけものフレンズの劇中で描かれてきているはずなのです。今回渡された箱がかばんちゃんの知るものであるなら、すでに同じものが劇中に登場していると考えるほうが自然です。

 

ただし、この考えには不完全な部分もあります。今回の箱と同じもの自体は劇中に登場していないものの、「かばんちゃんがそれを知るきっかけとなったシーン自体は描かれている」という可能性もあるからです。

 

たとえば、直前の調理のシーンを振り返ってみましょう。かばんちゃんが読んだ料理の本の内容は、文字がぼかされるなどして視聴者には完全に伝わらないようになっていました。しかし、その後かばんちゃんがカレーを煮たり、ご飯を炊いたりしたことから、視聴者は「かばんちゃんはあの本を読んでカレーの作り方を学んだんだな」とわかるようになっています。

 

同じように、かばんちゃんが「箱の正体を知るきっかけとなったシーン」自体は描かれているものの、「箱の正体自体が、視聴者にもわかるような形で描かれていない」という可能性もあるのです。もしそうなると、箱の正体を視聴者が推理することはかなり難しくなるでしょう。

 

箱の正体を知る鍵は料理のシーンにあり

初めて本編を視聴したときは、私も箱の正体が何なのかこの時点では特定できなかったはずですが、今回は全編視聴後の考察なので、手がかりとなるシーンはどこかついでに解説しておきたいと思います。

 

答えを言ってしまうと、かばんちゃんは「火の付け方」を図書館の本で探しているときに今回の箱と同じものを見たのでしょう。あのシーンでかばんちゃんは「(火の付け方は色々あるけど)どれも大変そうだな。道具とか力とか」と語っていましたが、この「火をつける道具」として紹介されていたものを覚えていたために、助手が渡そうとしていたもうひとつの副賞の正体に気がつくことができたのでしょう。

 

そのように考えると、なぜ助手がこの箱を副賞に選んだのかという理由も見当がつくと思います。つまり、かばんちゃんに対して「また火をつけろ(料理を作りに来い)」と提案していることになるわけです。

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Webライター・マーケティングコンサルタントとして活動しています。実務を通じて学んだマーケティングに関するノウハウや最新情報をわかりやすく提供していきたいと思っています。 また、時事に関わるニューズをマーケティング・ライティングといった切り口から解説してみたいと思います。

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