【Bパート やみつきになる辛さ】
サーバルとかばんちゃんに促され、カレーを食べるのをためらっていた博士と助手はついにカレーにスプーンを伸ばします。
(おぼつかない手つきでスプーンを操り、口にカレーを運ぶ博士と助手、真剣な面持ちで見守るサーバルとかばんちゃん)
アフリカオオコノハズク(博士):・・・辛い!
ワシミミズク(助手):辛いのです!
博士:なんですかこれは!食べて大丈夫なのですか!?
助手:水を飲むのです!
博士:これはだめですね。
助手:だめなのです。
博士:これでは、何の動物か教えられないのです。
サーバル:えーっ!
かばんちゃん:そうですか・・・。
サーバル:こんなに頑張って作ったのに、いいじゃない!
博士:だめですね!食べられたもんじゃないのです。(一口食べる)
助手:だめですね。我々が満足できるまで頑張るのです(一口食べる)
博士:だいたいこれ、食べ物なのですか?(さらに一口)
助手:こんなに刺激が強いなんて。
食べ物を「味わう」初のシーン
今回は、博士と助手の食事シーンに関する考察です。けものフレンズではこれまで食べ物を食べるシーンはいくつか登場しましたが、今回のように幾つかのステップを踏んで描かれるのは初めてです。
スプーンをなんとか握り、カレーを口に運んだ博士と助手でしたが、ひとくち食べた後しばらくの沈黙が続きます。彼らにとっては、動物だったころを除けば久々に食べたジャパリまん以外の食事だったはずです。つまりは、「特別な味がするものを食べた久しぶりの機会だった」ということなので、その味がどんなものか頭のなかで処理するのに時間がかかってしまったのでしょう。
実際の人間社会でたとえるなら、「長期間入院して点滴で生かされていた人が、久々にまともな食事を食べた」といった状況を想像してもらえばいいでしょうか。私自身数ヶ月入院して食事を取れなかった時期を経験したことがあるので、こういうときどういう気持ちになるのかはある程度想像がつきます。
「辛さ」は味覚ではない?
ましてや、博士と助手が食べたのはカレー=辛い食べ物でした。辛味に関するWikipediaの記述を参照すると、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%9B%E5%91%B3
生理学的定義に基づく味覚は、味覚受容体細胞にとって適刺激である苦味、酸味、甘味、塩味、旨味の5種(五基本味)を指しており、辛味はこれにあてはまらない。神経刺激としての辛味の核心は舌・口腔のバニロイド受容体(カプサイシン受容体)で感じる痛覚であり、これに他の条件(トウガラシであれば、発汗および発熱)が統合されたものを辛味と呼んでいる。
とあり、厳密には「辛味は味覚ではなく、痛みを感じているだけである」ということが示されています。人間が辛味を味として楽しんでいるのは、その刺激や新陳代謝や発汗を促す作用を求めてのことで、本来は味ではない、とのことです。
犬や猫など、人間にとって身近な動物にも辛い食べ物を好む生き物はいません。彼らにとって辛い食べ物はあくまでも「痛みを感じる」だけであり、博士と助手がカレーの辛さに耐えられず思わず水を飲み、「これでは駄目」といったのはごく当然なリアクションだったといえるでしょう。
フレンズの味覚は動物よりヒトに近い
ですが、博士と助手の反応はこれだけでは終わりませんでした。カレーの味について散々愚痴を漏らしながら、もう一口、さらに一口と徐々にスプーンが進んでいったのです。
博士と助手はフレンズ、つまりは純粋な動物ではありません。体がヒトの姿になったことから味覚の感じ方もヒトに近づいたと考えられ、最初はカレーの強い辛味に嫌悪感を抱いたものの徐々にその味の虜になっていったと考えられます。
次回は、すっかりカレーの虜になってしまった博士と助手が2人にどのような判断を下すのか、そのシーンを解説していきたいと思います。
鳥は絡みを感じないので(庭に唐辛子を植えておくと、完熟した頃にヒヨドリにやられる)、その点は人間よりになってますね
なるほど!初めて知りました!
カプサイシンの受容体が違うから唐辛子などの辛さを感じない、ということらしいですね。