前回記事:【2話 その20】アニメ感想「けものフレンズの謎」:かばんちゃんとサーバル、初めての共同作業
【Bパート ジャパリバスに電池がないことが発覚する】
連結が完了した後、フレンズたちが見守る中、ラッキービースト(ボス)が運転席に移動し操作を行います。ラッキービーストの胴体中央にある丸い部分が光を発すると、それに連動してハンドルの中央にあるジャパリパークのシンボルマークが発光。その後ジャパリバスのエンジンが始動しました。
ところが、エンジンはすぐに機能を停止します。何事かと混乱するフレンズたちに対して、ラッキービーストは「電池がなくなっているみたい」と説明します。
ラッキービーストはサーバルと会話したのか?
このとき、サーバルが「電池って?」と問いかけると、ラッキービーストは車体正面にある電池を着脱し「これが電池だよ」と回答しています。本来であれば、ラッキービーストは「フレンズの問いかけには応えない」はずです。初見時であっても、2話冒頭を含めてそれを示すシーンは何度も描かれています。
あえて説明がつくようにするなら、以下の3通りの解釈が可能です。
- かばんちゃんに電池とは何か説明しようとして、たまたまサーバルと会話したように見えただけ
- 「ヒトに危害が加わりそうな状況」だったので、サーバルとも会話した
- 本当はサーバルとも会話したいので、「かばんちゃんに説明する体」でサーバルの問いかけに応えた
「たまたま会話したように見えただけ」というのが最も一般的な解釈でしょう。また、後に判明することですが、ヒト=かばんちゃんの安全に係る状況では、ラッキービーストもフレンズと会話することが可能になるという設定があります。「バスの電池がない」という状況がただちに人の安全に直結するとは考えにくいので、この可能性は低いものの、理論上は「ヒトに危害が加わる可能性がある」と拡大解釈して反応したとも考えられます。
ラッキービーストもサーバルと話したかった?
私が最も有力だと思うのは、3つ目の解釈です。運転席の運搬にサーバルが成功したシーンでも明らかですが、ラッキービーストにも感情はあります。自分に対して親しげに繰り返し話しかけてくるサーバルを無視し続けるのは本来であれば心苦しいことでしょう。もし、ラッキービーストが「サーバルとも会話したい」と考えているのなら、それが可能になったチャンスを見過ごすはずはありません。
ですから、このシーンでのラッキービーストの発言は「かばんちゃんに説明するふりをしながら、実はサーバルの問いかけに対する回答を意図的に行っていた」とも解釈できるのです。あるいは、「電池がない=ヒトに危害が加わる可能性がある、と意図的に拡大解釈して、サーバルの問いかけに応えた」という可能性もあるでしょう。どちらにしろ「サーバルと自然に会話できる貴重なチャンスを活かした」という解釈が可能なのです。
「こうざん」を目の当たりにしたサーバルがやる気全開になった理由
ラッキービースト:なるほど、電池がなくなってるみたい。
サーバル:ん、電池って?
ラッキービースト:これが電池だよ。
コツメカワウソ:よくわかんないけど、遊べないってことか・・・。
かばんちゃん:それって、増やしたりできるんですか?
ラッキービースト:あそこの山頂にある、ジャパリカフェの屋上で充電できるよ。
(山を見上げる一同)
かばんちゃん:ど、どうやって行くんですか~!
サーバル:うおーーー!!
ラッキービーストのセリフにある、「ジャパリカフェ」は3話で登場するので、そのときに考察することにしましょう。ここで注目すべきはかばんちゃんとサーバルのリアクションの違いです。電池の充電=こうざんに登らなければいけないという事実を知り、かばんちゃんはどうやってたどり着くのか想像できず頭を悩ませます。このリアクションは極めて自然に思われますが、対象的にサーバルは拳を握りしめて眉毛を怒らせ、やる気に満ち溢れた雄叫びを上げています。これは一体どういうことなのでしょうか?
私は今までの考察で、「サーバルは未知の課題をクリアすることに燃える性格である」と説明してきました。
参考:【2話 その12】アニメ感想「けものフレンズの謎」:サーバルが石ころお手玉をやりたがった理由
サーバルは今まで、さばんなちほーの中で暮らしてきました。さばんなちほーからも見える「サンドスターが吹き出す山」を除き、今まで高い山を見た経験もなかったでしょう。「こうざん」という未知の存在、そして「それをこれから登らなければいけない」という全く新しい課題に対して、やる気がみなぎっているためにこうしたリアクションを見せたと考えられるのです。
2話のラストシーンは、こうざんを前にした自分の上空を飛び去る謎の影にかばんちゃんが気がつくシーンで終了します。これは次回登場するフレンズ、「トキ」なのですが、トキについてはまた3話の考察で引き続き語っていこうと思います。
ジャガーの解説とPPP(ペパプ)予告
Cパートでは、「てんのうじどうぶつえん なかやまおにいさん」からジャガーの解説が行われます。
- 首や手足が太く、ずんぐりむっくりな体型である
- 樹上・陸・水中などあらゆる地形を移動できる
- 黒い丸の中央に黒い点がある模様をしている
という特徴が説明されます。異なる地形を縦横無尽に移動しなければならないことから、強靭な体型=ずんぐりむっくりな体型に進化したと考えられますが、その身体能力の高さは劇中のいかだを動かすシーンで見事に表現されていると言えるでしょう。
アルパカのつば吐き=マーケティングか?
PPP一同:ペパプ予告!
イワビ-(イワトビペンギン):今週はアルパカを紹介するぜ!
フルル(フンボルトペンギン):アルパカ?
イワビ-:ツバを飛ばすらしいから。
プリンセス(ロイヤルペンギン):攻撃してるってこと?
イワビ-:愛情表現かも?
コウテイ(コウテイペンギン):マーケティング・・・。マーケティングじゃない?
一同:マーケティング!?(笑)
イワビ-:次回、こうざん!
当ブログは一応、「マーケティングに関することを語るブログ」です。(アニメ感想「けものフレンズの謎」はじめ、それ以外の記事も多いですが)私もまさかけものフレンズを見ていて、「マーケティング」という単語が出てくるとは思いませんでした。一応ブログの趣旨に合わせるなら、「コウテイがアルパカのつば吐き=マーケティング」と考えた理由」を考察しなければいけません。
(実際には「マーキング」と言い間違えたらしい)
本当はアルパカのツバ=威嚇・攻撃の手段
アルパカは「クラレのCM」などで一般的な認知度も高まっている動物です。主に南米アンデス山脈などの高山に住む動物で、3話にはフレンズとして登場します。アルパカがつばを吐く理由については、下記のサイトで紹介されています。
『ぺっ…』アルパカが人間にツバを吐く理由がなんとも切なかった…
要約すると、「アルパカは臆病な動物で、武器も持っていないためニオイのきついツバを吐いて身を守る」ということのようです。
1話のペパプ予告に関する考察でも述べましたが、このシーンは基本的に声優さんのアドリブ演技で進んでいると考えられます。「アルパカはツバを飛ばす」というイワビ-の発言以降はおそらくアドリブトークでしょう。ペパプの声優さんたちはアルパカがツバを吐く本当の理由走りませんから、大喜利のように面白い理由を想像してお互いに言い合っているわけです。
「アルパカはツバを飛ばす理由」について、「攻撃している(プリンセス)」、「愛情表現(イワビ-)」、「マーケティング(コウテイ)」という3つの説が出ました。当たっていたのはプリンセスの説だったわけですが、コウテイがいう「マーケティング」とは何を意味していたのでしょうか?
3話は奇しくも「店舗のマーケティングを考える話」
「唾を付ける」という慣用句があります。デジタル大辞泉によれば、
他人に取られないように、前もって手を打っておく。「売り出す前に―・けておく」
という意味があるとされています。コウテイがいいたかったのはおそらくこの意味でしょう。マーケティングの役割のひとつとして「見込み顧客の醸成」というものがあります。自社の商品やサービスに興味を持つ人を増やす、「将来買ってくれるかもしれない人」を囲い込むといった行為ですが、「唾を付ける」という言葉の意味どおり、「アルパカも見込み顧客の醸成のためにツバを飛ばしているのではないか」と考えたのだと思います。
けものフレンズ3話で、フレンズとして登場するアルパカは「自分のカフェにお客さんが全くこない」という悩みを抱えています。そして、かばんちゃんが集客に協力するという展開になるのですが、それはまさしく店舗のマーケティングを考えることにほかなりません。図らずもペパプ予告の内容と奇妙な一致を見せているのが面白いところです。