バーチャルYoutuber(Vtuber)たちが登場するアニメ「バーチャルさんはみている」2話を視聴した感想です。
「バーチャルさんはみている」2話のあらすじ
導入コーナー
今回からばあちゃるに加えてピーナッツくんが参加。
オープニングトーク
なかなか起きない猫宮ひなたを電脳少女シロが機転を利かせて起こす。
VIRTUAL WARS
道明寺晴翔が「超級影分身の術」を使えるようになる飛躍を開発桜樹みりあが複数人に増えてしまう。増えたミリアを宇宙空間に排出したが・・・。
バーチャルグランドマザー
「日進月歩」の解説。
レッツゴー!教室
教室がなぜか北極に転移してしまう。
猫宮ひなたは温かいものを食べているところを想像して乗り切ろうと提案するが・・・。
富士アオイ公園
ヨガテレポートするバーチャルゴリラに、富士葵がソニックブームを食らわせる。
てーへんだ!アカリちゃん
「親友と好きな人がかぶってしまったら・・・」というお悩み相談。
ひなたちゃんは登校中
「8倍スコープを探している」という脳内シミュレーションにひたる猫宮ひなた。物を拾う動作に疲れて中断する。
うんちく横丁
シロが富士山のうんちくについて語る。
みんなのバーチャルさん:朱浦ウル
委員長、3時です
ゲストは樋口楓。
議題:手に入れるならどっち?
A 失敗をやり直せるリセットボタン
B 失敗を笑い話にできる配信者向けの精神
ユニティちゃんはコロがりたい
大鳥こはく(ユニティちゃん)が好物のカレーコロッケを食べる
みんなのバーチャルさん
風切羽P、ちえりーランド従業員、セレン、ひまり、えん、くろやんちゃん、折神さん
ケリンスレイヤー
ケリンスレイヤー「HimeHina」の2人が洞窟の奥でケリンと闘う。
聞いてよ!しすたぁ!
ときのそらがシスタークレアに相談。
「習字で二度書きしたのに入賞しちゃった。どうすればいい?」
エンディングトーク
視聴者からの質問「みなさんは普段何で癒やされていますか?」
次回予告:ふくやマスター
各コーナーの狙いが徐々に明らかになってきた
2話で放送されたコーナーは、すべて1話で放送されたものの続編で、比較対象としてよく挙げられる「ポプテピピック」のように新しいコーナーが追加されることはありませんでした。今後もこの方針が続くかどうかはわかりませんが、1話の内容と対比することによって各コーナーの「やりたいこと」がかなりあきらかになってきたといえるでしょう。
たとえば、ゲーム部の4人がコントを繰り広げる「VIRTUAL WARS」を例に取ると、1話は巨大化、2話は分身となっています。これらはどちらも「バーチャルキャラクターだからこそできる演出」です。
通常のアニメキャラを増やそうとしたら、その分作画の手間が増加しますし、リアルのバラエティでタレントを増やそうとするのも、同様に演出面で時間がかかります。一方、「Vtuberなら、キャラを大きくしたり数を増やしたりするのも簡単にできますよ」と訴えることは、特にアニメ制作やイベント企画等に携わる業界の人に対してVtuberの利点をアピールする点で重要だと言えるでしょう。
テクノロジー的側面に注目するか、Vtuberの個性に注目するか
「バーチャルグランドマザー」では四字熟語という「昔からあるもの」を解説する過程で「一昔前はスマートフォンなどなかった」という事実や、「スマートフォンがない時代の待ち合わせの方法」について紹介しています。これは「Vtuberという今はまだ新しいテクノロジーも、間もなく社会にとって当たり前の存在になっていく」という主張を暗に訴えかけようとしているのではないでしょうか。
各コーナーの「やりたいこと」は、先に挙げたような「Vtuber全体の認知を広めるためのもの」、そして「個々のVtuberの特徴を紹介するもの」の2種類にわけられると思います。基本的にはすべてのコーナーが2つの側面を持っているのでしょうが、内容によってどちらの側面が強く出るかには偏りがあるのでしょう。
「富士アオイ公園」は、レトロゲームで見られたようなワンシーンをVtuberによって再現することで、「Vtuberでどんな演出が可能なのか、サンプルケースを見せる」ことを狙っているように思います。
一方、テクノロジーではなくキャラクターの個性に注目したのが「ケリンスレイヤー」 や「ユニティちゃんはコロがりたい」やなどでしょう。前回は作画が未完成だったケリンスレイヤーでしたが、今回は無事仕上がっており、ケリンさん独特の「懐かしのMAD動画的雰囲気」が伝わるコーナーになっています。
「ユニティちゃんはコロがりたい」に登場する大鳥こはくさんは「なぜユニティちゃんと呼ばれているのか」という根拠の部分にほかのVtuberには見られない大きな個性を持っているため、視聴者が理由を知りたがるように仕向け、検索でもしてもらえばコーナーとしては成功と言えます。おそらく最終話が終わるまで、コーナー中で理由が語られることはないでしょう。
Vtuberファンの中にもテクノロジー的側面に注目する人と、個々のVtuberの内面に注目する人がいますが、「バーチャルさん」は両方余さずPRしていこうとしているはずです。「Vtuberって何が面白いのかわからないけど、なんだか今までのコンテンツとは違う感じがする」と見た人に思ってもらうことができれば「バーチャルさん」は成功したと言えるのかもしれません。