「メールマーケティングに興味があり、これから始めたい」と考えている方にとって、最も気になることは「具体的にどういうやり方でメール配信を行なったらいいのか?」という点ではないでしょうか?
そこで今回は、そうした悩みを抱えた方のために、メールマーケティングを初めたばかりでもすぐにできる、最も基本的かつ効果的な2つの方法をご紹介しましょう。
失敗しないためのメールマーケティングの始め方
メールマーケティングを始めようと考えている方は、大きく2つのタイプに分けられます。
- これまで自社でWebマーケティングを行ったことがなく、新たに始めることなった
- これまで自社でWebマーケティングは行っていたが、新たにメールマーケティングを始めることになった
ひとつ目は、「メールマーケティングだけでなく、Webマーケティング自体を行うのが初めて」というパターンです。それに対してふたつ目は「Web広告などほかの方法でWebマーケティングを行った経験はあるが、メールマーケティング自体は初めて」というパターンです。
それぞれの立場でどういった点に気をつけるべきか、ご説明しましょう。
Webマーケティング自体が初めての場合
これからご紹介する、「メールマーケティングの最も基本的な2つの方法」から始めることをおすすめします。メールマーケティングは、ターゲットを詳細に分析したり、複雑なシナリオを組むなど手の込んだ方法で行うことも可能ですが、Webマーケティング初心者がそういった複雑なやり方で始めようとすると途中で挫折してしまう可能性が高いからです。
ほかのWebマーケティングの経験はある場合
「最初は以下でご紹介する2つの方法からスタートし、徐々により複雑な方法へ移行していく」という流れをおすすめします。たとえWebマーケティング自体の経験があったとしても、新しい手法を始めるわけですから、最初はシンプルな基本的方法を覚え、徐々に応用にチャレンジしていくという流れのほうがリスクが少ないからです。
Webマーケティングの経験がある、ということは、過去にリスティング広告やSEOなどに挑戦し、導入に苦労した経験があるのではないでしょうか?「同じような苦労をまた繰り返したくない」と考えるなら、冗長に思えてもまずはシンプルな方法から習得していくべきです。
メールマーケティングの基本となる2つの方法
それではいよいよ本題に移りましょう。メールマーケティングにおいて、どんな企業・業界でも活用できる最も基本的な方法をご紹介します。
1.新商品・サービスのご案内
新しい商品やサービスを導入した場合、それを何らかの方法で既存顧客や、これから顧客になってくれる可能性のある見込み客に伝えなければなりません。こうした通知をメールマーケティングで行おうというのがひとつ目の方法です。
この方法の優れている点は、「メール配信を行うのに必然性がある」ということです。メールマーケティングを始めるにあたって「いきなりメール配信を始めることを、どのような正当性をもたせるか」という部分が問題になる場合がよくあります。もちろん、いきなり「メルマガ始めました!」というメールを送ってもかまわないのですが、それだけでは対象者の興味を喚起するのに十分とは言えません。
その点「新商品のご案内」には、「新しい商品が出たので皆様にご紹介する必要があって連絡しました」という、配信を始めるにあたってのもっともらしい理由があります。こうした配信からスタートすれば、徐々に「お客様のお役立ち情報」など、ほかの内容を伝えるメール配信にも自然に移行していくことができるでしょう。
ちなみに、新商品や新サービスの発表予定がしばらくない場合は、「既存商品のアップデートのお知らせ」などでも構いません。なにか新しく変わったことが起きたというきっかけを持つことが大事なのです。
2.イベントの開催通知
同じように、「近々開催されるお客様向けのイベント通知」も、メールマーケティングと相性がいい配信内容です。たとえば、展示会やセミナーの案内、出展するイベントの開催情報などを通知し、自社開催のイベントであれば同時に参加者募集も行うといいでしょう。
イベントの開催通知をメールマーケティングで行うのが有効な理由は、新商品のご案内と同じく「メッセージを送る大義名分がある」からです。そもそも、こうしたイベント自体、本来は販売促進・PRを目的に開催されます。もちろん、広告など他の方法で通知することも可能ですが、それにメールマーケティングという能動的なマーケティング手法を加えることによって、より有効な周知が可能になるわけです。
「2つの方法」からメールマーケティングを始めるべき理由
メールマーケティングを始めるにあたって、「新商品・サービスのご案内」、「イベントの通知」から行うべきだ、とご説明してきましたが、次のような疑問を持った方もおられるのではないでしょうか?
マーケティングの目的は「新たな顧客の創造」にあるはずだ、これら2つの方法では単なる広告・PRと同じになってしまわないか?
従来のWebマーケティングと、それほど大きな違いを感じない。せっかく新しい手法を取り入れるのだから、データ分析やシナリオ設計を組み合わせた方法を試したい
私も実際、マーケティングの仕事をする中でお客様からこういったことを伝えられた経験が何度もあります。しかし、以下のような理由から、少なくともメールマーケティングを始めたばかりの段階では、今回ご紹介した2つの方法から着手することをおすすめしています。
売上に直結し、早く成果が上がることが最も大事
メールマーケティングを始めるに当たっては、専用のツールを導入したり、コンサルティングを受けたりする必要があります。これらのことには当然費用が発生するため、担当者は上司から費用に見合った成果を上げるようプレッシャーがかけられることになります。
メールマーケティングに限ったことではありませんが、一般的にマーケティングの成果は見えにくいものです。「1通のメールがどれだけ売上に結びついたか?」を判定するのは簡単ではありません。
しかし、今回ご紹介した2つの方法は、どちらもどれだけの成果が上がったか容易に確認することができます。まず、「新商品・サービスの案内」は、対象者に即座の購入を促す内容ですから、「メール送った相手が、どの程度新商品を購入に至ったか」をチェックすれば簡単に成果は把握できます。
「イベントの通知」も同様です。「実際のイベント来場者」と「メール配信の対象者」を照らし合わせれば、「メールを送った相手のうち、何人がイベントに行ってくれたか」はひと目でわかります。
このように、今回ご紹介した2つの方法には「施策の効果を把握しやすい」という共通点があります。そのため、メールマーケティングがしっかりと成果を上げていることを上司にも報告しやすく、導入の効果を社内に示しやすいのです。
データ分析や詳細なシナリオ設計には時間がかかる
メールマーケティングは、配信する相手によってメールの内容を変更するなど、複雑な方法で配信することも可能です。しかし、やり始めて間もない時期からこういった複雑な方法を選ぶのはおすすめしません。
なぜなら、「誰に、どのような内容のメールを送るのか」を検討するには、さまざまな要素が不足しているからです。まず、配信対象を細かく分類するためには、基準となるユーザーのデータが必要ですが、メールマーケティングを始めたばかりの段階ではそうしたデータはまだ出揃っていないはずです。つまり、ユーザーを属性ごとにグループ分けしようにも、その基準となるデータそのものが整理できていない状態からスタートしなければならないのです。
仮に配信対象をグループ分けできたとしても、有効な内容のメールを送るのは簡単ではありません。たとえば、配信対象を3グループに分けたのなら、本来は1通で済むメールを内容を分けて3パターン用意しなければなりません。単純計算で必要な労力が3倍に増えることになります。
メールマーケティングという手法自体に慣れていない時期に、こういった複雑なやり方に挑戦して無駄に労力を増やしてしまうのはあまりおすすめできません。マーケティングは基本的に試行錯誤の連続であり、方法が複雑になればなるほど手間はどんどん増えていきます。しかも、手間が増えたほどには成果は急激には上がらないケースがほとんどなのです。
「2つの方法」で着実に成果を上げ、マーケティング予算を増やそう
「新商品の案内」と「イベントの通知」・・・、これらの2つの方法には、「すぐ成果に結びつきやすい」、「最小の労力で効果を上げることができる」というメリットがあることをご紹介してきました。メールマーケティングをスタートするときは、これらの2つの基本的な方法から始め、着実に成果を積み重ねていきましょう。
メールマーケティングが売上アップに貢献することが確認されれば、社内で予算や人員の拡充も認められるようになるはずです。綿密なデータ分析やシナリオ設計に基づくメール配信などの複雑な方法は、その後で始めても決して遅くはありません。
「まず、成果を上げるのにもっとも効果的な方法を選び、その後でさらに成果を高める方法に着手する」
このやり方が、メールマーケティングを成功に導くための最もスマートな進め方なのです。