けものフレンズ11話感想その11:かばんちゃんとアライさん・フェネックの出会い

けものフレンズ11話感想その10:2種類のサンドスターと、アライさんが目指す「お宝」の場所

 

【Bパート アライさん、「帽子泥棒」を捕まえる】

山頂にたどり着いたかばんちゃんとサーバルは、
2種類のサンドスターが山から放出されているのを見つけます。
山のフィルターを貼り直すために、四神を探そうとするかばんちゃんでしたが・・・。

アライさん(アライグマ):たあああああ~~~!!

(アライさん、かばんちゃんに背後から飛びかかり押さえつける)

かばんちゃん:う!た、たたた!食べないで!

サーバル:あっ!

アライさん:やっと捕まえたのだ!帽子泥棒め!

かばんちゃん:えっ?帽子?えっ!うわぁぁぁ!!

(アライさん、かばんちゃんから帽子を奪い取る。フェネックも山頂にたどり着く)

アライさん:とったのだー!

サーバル:何してるのー!そんなことする子じゃないよ!

アライさん:嘘なのだ!お宝を独り占めするつもりなのだ!・・・ハハハハ!ついに取り戻したのだ!早速これを付けてっと。(赤い帽子の飾りをつける)

サーバル:かばんちゃん、大丈夫?

かばんちゃん:うん、びっくりしたけど平気。

アライさん:えっ?かばんさんが近くにいるのか?

サーバル:この子がかばんちゃんだよ。君、一体何なの?

かばんちゃん:あ、ど、どうも・・・。

アライさん:何?お前がかばんさんのわけないのだ!

サーバル:これがかばんちゃんだよ!えっ?かばんちゃんって他にもいるの?

アライさん:かばんさんはな、偉大なんだぞ。橋を作ったり争いを鎮めたり・・・あのPPP(ペパプ)とも知り合いなのだ。

サーバル:だから、それがかばんちゃんだって!

 

ついにかばんちゃんに追いついたアライさん

かばんちゃんとサーバル、そしてアライさんとフェネック、ともに1話から登場し、ジャパリパークのほぼ同じ場所を同じ順番で旅してきた2組のペアが、今回始めて出会うことになりました。

 

アライさんとフェネックは、これまでの旅で徐々にかばんちゃんたちとの距離を詰め、10話のラストでついにロッジにまで到達しています。かばんちゃんたちはジャパリバスで移動していたため、最初こそアライさんたちとの距離が離れていましたが、ところどころで足止めを食らってしまっており、その間に距離を詰められたと考えられます。過去の解説でもご紹介してきましたが、以下のようなポイントはアライさんたちが距離を詰めるのに有利に働いたことでしょう。

 

6話:ライオン、ヘラジカの群れの合戦に巻き込まれる(1週間)

8話:PPPのお披露目、ライブを見る(1週間)

10話:雨でロッジに足止めを食らう(3日)

 

けものフレンズ10話感想その24:アライさんが目撃した黒い影と「せるりあん」の意味

 

かばんちゃんを見つけるなり、アライさんは有無を言わさず飛びかかり帽子を奪い取ってしまいました。基本的にフレンドリーな形で接触してくることが多いフレンズとの出会いの中では、最も乱暴な出会い方だったといえるでしょう。合戦の前で気が立っていたライオンの部下たちでさえ、いきなり襲いかかるような真似はしませんでした。

 

明後日の方向に突っ走るのは、アライさんの持ち味

アライさんはかばんちゃんのことを「帽子泥棒」だと思い込んでいます。サーバルが「そんなことする子じゃない」と指摘されても「嘘なのだ」とまったく信用していませんでした。狼のように一部「嘘をつく」という概念を知っている「ヒトに近いフレンズ」もジャパリパークの中にはいますが、アライさんの場合は自分の考えが真実だと信じ込んで猛進しているだけのように見えます。こうした傾向は、「明後日の方向に突っ走る」と後に相方のフェネックからも語られるアライさんの性格的な特徴です。

 

「人の意見を聞かず、自分の考えだけで邁進する」という傾向は、人間社会においては良くない傾向であるとみなされることが多いかと思います。しかし、このジャパリパークにおいて、かつアライさんに関して言えば、必ずしもそうとはいえません。

 

なぜなら、かばんちゃんたちが今山頂に到達し、フィルターを貼り直して巨大セルリアンを倒そうとしていることは、あくまでも結果にすぎないからです。もし、かばんちゃんが帽子を持ち去っていなければ、代わりにアライさんが「お宝」を探すため同じように山に登り、そこで帽子を使ってラッキービーストのメッセージを再生、四神の位置を特定していたかもしれません。

 

つまり、人の意見を聞かずに突っ走るというアライさんの性格は、悪い結果を生む可能性ばかりでなく、いい結果につながる可能性もあるということです。集団行動が基本になる人間社会において、こうした性格は悪い結果につながってしまう恐れが多々ありますが、フレンズも動物たちも気ままに暮らしているジャパリパークにおいて、アライさんの性格は「ひとつの目的に向かって邁進する」といういい側面が現れる場面が増えます。

 

こうした側面を持つフレンズの数は、決して多くありません。好奇心旺盛で、未知の課題にチャレンジするのに燃える性格を持つサーバルでさえ、かばんちゃんが現れるまでその行動範囲はさばんなちほーの中に留まっていました。

 

アライさんは「明後日の方向に向かって」パーク全土を邁進しているのです。この行動力の高さは余人を持って代えがたい資質だといえるでしょう。

 

持論を曲げないアライさんを誰が説得するか?

サーバルはなかなか信じようとしないアライさんに対して、「アライさんが帽子泥棒だと思っていたフレンズこそ、『かばんさん』本人である」という事実を繰り返し伝えようとしました。あまりにもアライさんが頑なに信じようとしないことから、「もしかして『かばん』という名前のフレンズが他にもいるのではないか」と勘違いしてしまったほどです。

 

ここで、アライさんが言っている「かばんさん」と、サーバルが言う「かばんちゃん」が同一人物かどうかの確認が行われました。アライさんは道中でフレンズたちから聞いてきた「かばんさん」の実績を語り、サーバルは「それをやったのは自分の隣にいるかばんちゃんに間違いない」と告げました。

 

この時点で、論理的に考えれば「かばんさん=かばんちゃん」なのは間違いないと考えていいはずです。となると問題は、「パークの問題を次々に解決してきたかばんちゃんのような『いい子』が、帽子泥棒などという『悪いこと』をするか?」という点だけになります。

 

実際には、たとえ善人であろうと悪いことをしないわけではありませんし、かばんちゃんが意図せずアライさんが発見した帽子を奪ってしまった可能性もあるでしょう。ですから、帽子泥棒の事実関係はともかくとして、「この場でアライさんが納得するような説得ができるかどうか」が重要なわけです。

 

この段階で重要な役割を果たすのが、アライさんにつづいて静かに山頂にたどり着いたもう一人のフレンズ「フェネック」です。彼女の役割と振る舞いについては、次回の考察で触れていくことにしましょう。

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Webライター・マーケティングコンサルタントとして活動しています。実務を通じて学んだマーケティングに関するノウハウや最新情報をわかりやすく提供していきたいと思っています。 また、時事に関わるニューズをマーケティング・ライティングといった切り口から解説してみたいと思います。

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