けものフレンズ9話感想その10:ここで足湯が登場した3つの理由

 

 

【Aパート サーバルと足湯】

ちょっとした勘違いから氷水に飛び込んでしまい、全身が冷たくなってしまったサーバル。ギンギツネに勧められ、そばの足湯で体を温めることにしました。

 

サーバル:うおーっ!きもちいいー!すごいよーこれ、新体験。

かばんちゃん:きもちいいね~。お二人はいいんですか?

ギンギツネ:私たちは後でいいわ。それよりどう?キタキツネ。何かわかる?

キタキツネ:あっちのがなんか変な感じかも。

ギンギツネ:分離機の方かしらね?

 

なぜ「足湯」が登場したのか?

前回少し触れられていた「足湯」に、いよいよかばんちゃんとサーバルが入ります。全身浸かることができないのは残念ですが、何しろ源泉のそばですから体を温めるには十分な熱を得ることができたでしょう。

 

ひとつ疑問なのは、なぜここで2人が入るのが「足湯」なのかという点です。たとえば、サーバルが氷水に浸かるギャグシーンを入れなくとも、山を降りた後でみんなで温泉に入るシーンなどを挿入すればよかったはずです。(実際、この後そういった展開も待ち受けています)

 

ではなぜ、この時点でサーバルとかばんちゃんを足湯に入れる必要があったのでしょうか?

 

考えられる理由としては、以下の2つがあります。

 

体全体ではなく足だけを温める必要があった

かばんちゃん、サーバルとギンギツネ、キタキツネを別行動させる必要があった

 

先に「足だけを暖める必要があった」という点について考えてみましょう。普通に考えれば、このような必要はありません。体全体を温めるのも、足だけを温めるのも、暖を取るという点では同じなので、区別する必要性もないからです。

 

しかし、今回に関しては温泉で体全体を温めるか、それとも足湯で足だけを温めるかという点には大きな違いがあります。なぜなら、足湯であれば入るにあたって「服を脱ぐ必要はない」からです。

 

私は過去の考察の中で、「けものフレンズでは、フレンズたちのトイレの描写は意図的に省かれている」と説明してきました。同様にフレンズたちの「服」についても関連する描写は劇中ほとんど描かれていません。

 

 

つまり、現時点において、フレンズたちが自分たちの服をどのように認識しているか、視聴者はわかっていないのです。もっと端的に言えば、たとえば「サーバルは毎日着替えをしているのか?」とか、「かばんちゃんはお風呂に入っているのか」といった描写がほとんど画かれてないということです。

 

この点については、後で温泉に入るシーンで詳しく解説したいと思います。現時点においては、従来同様にフレンズたちの服に対する認識を現時点で描きたくなかったために、あえて温泉そのものではなく足湯に入ることにした、と考えておけばいいでしょう。

 

かばんちゃんとギンギツネを別行動させるための布石

仮に、前述の仮説が正しいとしても「なぜここで足湯に入るシーンが必要だったのか」という疑問に対する完全な説明にはなりません。なぜなら、フレンズの服に対する認識を描きたくなかったのであれば、そもそもサーバルを「氷水に落下させなければよかった」からです。

 

言い換えると、ここでかばんちゃんとサーバルが足湯に浸かるシーンを入れることには、明確な演出上の意図が存在することになります。それこそが2番めにあげた理由である、「かばんちゃんたちとギンギツネたちを自然に別行動させるため」です。

 

ギンギツネとキタキツネは、2人の間の会話からもわかる通り、これから「分離器」の方へと向かいます。普段使っている装置の様子を見に行くという、本来の目的を果たしに行くわけです。

 

一方、このあとかばんちゃんとサーバルは足湯によって解凍されたラッキービースト(ボス)とともに登山コースの先へと向かいます。そこで物語の核心につながる重要な手がかりを得ることになるのですが、それはまた次回以降の解説で説明していきましょう。

 

ちなみに、足湯が登場する必要があった3番目の理由として「ラッキービーストの解凍」があります。吹雪の中凍結して以来、一切登場していなかったラッキービーストですが、おそらくはかばんちゃんのかばんの中に入れられていたものと思われます。その後、凍結状態のまま足湯の中につけられており、かばんちゃんもサーバルもラッキービーストはそういった扱いをしても問題ないと理解していることがわかります。

 

【Aパートアイキャッチ キタキツネの解説】

さんふぇりしあんどうぶつえん くりすてぃーぬおねえさん(かなだ)による、9話に登場するフレンズの元となった動物「キタキツネ」の解説です。要約すると内容は次のようになります。

 

  • キツネは目と耳がとても優れている
  • ネズミのような小動物を捉えるのが得意
  • 雪の中にある小動物の通り道に向かってジャンプし獲物を捉える

 

キツネのジャンプと獲物を捉える方法については、過去の解説でもご紹介してきたので改めて触れることはしません。基本的に、キタキツネもギンギツネも同じアカギツネの仲間なので、今回の話においてはどちらも同じような動物だと捉えておいて問題ないでしょう。

 

【Bパートアイキャッチ ギンギツネの解説】

みやぎざおうきつねむら さとうおねえさん(みやぎ)による、9話に登場するフレンズのもととなった動物、「ギンギツネ」の解説です。要約すると内容は次のようになります。

 

  • ギンギツネはキタキツネの突然変異種
  • キツネは生まれたときは真っ黒で、ギンギツネはグレーと黒が混ざった色になる
  • 毛の色によって性格に違いは生まれない、親の性格に似ることのほうが多い

 

劇中でも、ギンギツネのキタキツネの能力的な違いはそれほどクローズアップされません。他のフレンズと比較すると、アフリカオオコノハズク(博士)とワシミミズク(助手)が、「フクロウ」というくくりで事実上ひとまとめにされているのと同じようなものでしょう。

 

従って、劇中でのギンギツネとキタキツネも、性格的な違いに注目したほうが彼女たちの本質をより正確に捉えることができるはずです。

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コンテンツの魅どころ

Webライター・マーケティングコンサルタントとして活動しています。実務を通じて学んだマーケティングに関するノウハウや最新情報をわかりやすく提供していきたいと思っています。 また、時事に関わるニューズをマーケティング・ライティングといった切り口から解説してみたいと思います。

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