けものフレンズ8話感想その3:かばんちゃんの木登りとサーバルの耳

 

 

【Aパート マーゲイとの出会い】

PPPのライブ会場に到着したかばんちゃんとサーバル。しかし、会場にはすでに多くのフレンズが詰めかけていて、ステージの上が見えない状態になっていました。

 

サーバル:でもー、これじゃ私たちも見えないよー!ずっと飛んでるのも大変だし~。うーん・・・。あっ!(少し離れた場所にある木に気がつく)

 

(場面が変わって、ステージの舞台袖)

 

???:はぁ、はぁ、はぁ、うん・・・。(緊張した面持ちで息を呑む)

 

(木の上に登ろうとするかばんちゃんとサーバル)

サーバル:よいしょ・・・!(木に登る)

かばんちゃん:はっ、よっ、ふっ、ふっ(木に登る)

サーバル:そうそう、もう一息。

かばんちゃん:はぁ・・・。

サーバル:うまいうまい、かばんちゃん木登りうまくなったね。

かばんちゃん:えへへ・・・。

サーバル:見える見える。ここで見よう!

かばんちゃん:特等席だね。

???:ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ。

サーバル:ん?(隣りにいる何者かに気がつく)

マーゲイ:うへへへっ!

サーバル:うわっ!びっくりした!

 

木の上からライブを見ることにしたサーバル

ライブ会場は、いわゆる「立ち見」の状態で送れてやってきたかばんちゃんとサーバルからはステージ上をよく見ることができない状態になっていました。なんとかいい方法がないか考えていたサーバルの目に飛び込んできたのは、ちょうどいい位置に生えていた木です。

 

得意の木登りで上に登れば、音はスピーカーなどで聞こえるはずですから、ライブは問題なく見られるはずです。

 

深呼吸するプリンセスのシーン

ここで一度、場面転換をはさみ緊張した面持ちで深呼吸を繰り返す謎のフレンズが映し出されます。シーンの説明では「舞台袖」と書きましたが、正確に言えば状況から類推しただけで正確には「どこにいる誰が描かれているのか」、この時点では判断しにくくなっています。

 

結論から言ってしまえば、この「緊張したフレンズ」は、「舞台袖で出番を待っているロイヤルペンギン(プリンセス)」であることは間違いないでしょう。問題は、なぜこの瞬間にこのシーンを挟んだのか、という点です。その理由は後ほど明らかにされるので、現時点では詳しく解説しませんが現段階では「プリンセスはステージに立つ前、とても緊張していた」ということだけ覚えておいてください。

 

かばんちゃんの木登りが上達したわけは?

プリンセスのワンカットを挟んだ後、かばんちゃんとサーバルが木に登っているシーンが描かれます。先にサーバルが木に登り、上から登ってくるかばんちゃんを引き上げるという構図になっていますが、1話の木登りとは構図が変わっていることにお気づきでしょうか。

 

1話では木登りをしようとするかばんちゃんをサーバルが下から押し上げるという構図になっていました。押し上げる方のサーバルの足は地面についていたと考えられるので、上から引き上げる今回のやり方のほうがよりかばんちゃん自身の力に頼る部分が大きくなります。

 

サーバルが「かばんちゃん木登りうまくなったね」といったのは決してお世辞ではありません。登っている木の高さ自体も前回より高いものになっていますし、かばんちゃんの木登りが上達したのは間違いないでしょう。

 

木登り上達に寄与した3つの要素

しかし、よくよく考えてみるとこれは不自然です。1話から8話の間でかばんちゃんが木登りをしているシーンはほかにはなく、上達した理由がわからないからです。考えられるのは以下のようなパターンでしょう。

 

描かれていない旅の途中で木登りを何度か経験していた

料理など、ほかのことで培った経験が木登りに生かされた

精神的に自信を深めたことで木登りが上達した

 

私自身は、かばんちゃんの木登りが上達した理由はこれら3つの理由が合わさった結果だと考えています。まず、劇中では描かれていないものの、木登りを何度か経験していたということは十分に有り得ることです。演出上の意図からいっても今回の木登りの上達を通じて「かばんちゃんは劇中で描かれていない経験を含めて、旅でいろいろな成長を重ねている」ということを視聴者に伝えることができます。

 

次に、「ほかの経験が木登りの上達に寄与した」という可能性ですが、かばんちゃんはまだ生まれてから1年も経っていないということを忘れていはいけません。おそらく、サーバルとのここまでの時点で少なくとも1~2ヶ月程度は経過していると考えられますが、その間に体の動かし方に慣れたとしたら、木登りが上達したのもうなずけます。

 

最後の「かばんちゃんの精神的な成長が木登りの上達に結びついた」という可能性ですが、これも先に述べた「体の動かし方に慣れた」という点とほぼ同じ理由です。あえていえば、図書館で自分が「ヒト」だと教えてもらったことで、自分自身がどのような存在なのかを自覚し、さらに精神的な成長が促された可能性もあるでしょう。

 

マーゲイに気がついたサーバルの耳

今回取り上げるシーンのラストに当たる、マーゲイとの出会いのシーンです。ここで注目すべきことは、マーゲイの存在に気がつくサーバルのリアクションでしょう。アニメを見返してもらえばわかるのですが、マーゲイとの出会いは次のように描かれています。

 

かばんちゃんとサーバルの会話が一段落つく

「はぁ、はぁ」というマーゲイの声が聞こえる

サーバルの耳がマーゲイの方を向く

「ん?」とサーバルが隣に何かいることに気がつく

サーバル、隣を見てマーゲイがいることに驚く

 

特に注目してほしいのは、サーバルがまずマーゲイの存在に「音」で気がついているという点です。「ん?」と呟いた時点では、サーバルが「隣からなにか音が聞こえる」ということにきがついていたはずです。しかし、実はその前にサーバルの耳が「マーゲイの方向に反応している」のがお分かりいただけると思います。

 

このように、音に敏感なサーバルがまず反射的に体が音に反応し、次に意識が音の方に向く、その後で隣りにいるフレンズの存在に気がつく、という流れを経ているのが印象的です。

 

私自身、最初にこのシーンを見たとき、サーバルの耳が真っ先に反応しているのに気が付きませんでした。しかし、リアルタイムで視聴していた方の中にはその時点で気がついていた方も何人かいたようです。

 

そして、サーバルの耳が何に反応したのか視聴者にもわかりやすくするために、マーゲイの声をサーバルの耳が反応する前に流しておけば、このシーンの演出はすべて完成するというわけです。

投稿者:

コンテンツの魅どころ

Webライター・マーケティングコンサルタントとして活動しています。実務を通じて学んだマーケティングに関するノウハウや最新情報をわかりやすく提供していきたいと思っています。 また、時事に関わるニューズをマーケティング・ライティングといった切り口から解説してみたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

モバイルバージョンを終了