けものフレンズ7話感想その20:フレンズの目から見たヒトの特徴

 

 

【Bパート 博士が語るヒトの特徴】

かばんちゃんがヒトだと教えたのに、いまいちリアクションが薄いサーバルとかばんちゃんに対して、博士と助手は不満げな表情を見せます。そこでサーバルはヒトについて詳しく教えてもらうことにしました。

 

サーバル:じゃあさ、ヒトについて詳しく教えて。

アフリカオオコノハズク(博士):わかったのです。目立つ特徴としては、二足歩行・コミュニケーション能力・学習能力などがありますが、多様性があり一言でいいにくいとても変わった動物です。

ワシミミズク(助手):群れる・長距離移動ができる・投擲ができる・それなりの大型、色々と特徴がありますが、我々が大変興味深いのは道具を作る、使うことです。このパークにある様々な遺物も、すべてヒトが作ったとされています。

サーバル:へぇー。でも、ちょっとだけフレンズと似てるね。

博士:当然です。我々フレンズは動物がヒト化したものだと言われているのですよ。

 

ヒトの特徴については、ハシビロコウがかばんちゃんに話しかけたシーンで詳しく解説したので気になる方は参考にして下さい。

 

 

フレンズから見たヒトとは?

今回は、現実に存在するヒトの特徴でも、かばんちゃんが劇中で披露した自身の特徴でもなく、「博士、助手というフレンズの目からみたヒトの特徴」を取り上げてみたいと思います。

 

博士が語るヒトの特徴

先に、博士がヒトについて詳しく語ったシーンから考えてみましょう。博士がヒトについて語った内容は以下のようなものです。

 

二足歩行・コミュニケーション能力・学習能力

 

(直立)二足歩行については、ヒトにしか行うことができない特徴であるとされていますが、ジャパリパークに限ってはほかにも二足歩行を行うフレンズがウロウロしているため、特に目立った特徴とはいえないかもしれません。かばんちゃんも純粋なヒトではなく「ヒトのフレンズ」であると考えられるので、自分が二足歩行できることが特別な能力だと思ったことはおそらくないでしょう。

 

コミュニケーション能力についても同様です。ヒトは言語を主体とするコミュニケーションを行いますが、ジャパリパークではこちらも同様にフレンズが、しかも異なる動物同士とすらも会話でコミュニケーションをとっていますので、ヒト特有の個性とはいってもやはりあまり実感が湧くものではないと思います。

 

最後の学習能力とは、動物が主に本能に基づいて行動するのに対して人間は経験に基づいて行動することを指しているのだと思います。この点については、かばんちゃんは2話の橋づくりや5話の家づくりなど、さまざまな場所でその強みを発揮しています。ただし、この点についてもほかのフレンズがまったく備えていない能力だというわけではないので、やはりジャパリパークに限っては通常よりも目立ちにくい特徴になってしまっていると思われます。

 

ジャパリパークではヒトの個性は埋没しやすい

博士は最後に「多様性があり一言でいいにくいとても変わった動物」と付け加えました。これはおそらく人間の文化的な多様性を指していると思われます。国や地域、人種、住んでいる場所などによって文化が異なり、生活様式も幅広いため「ヒトはこういう動物だ」と断言しづらいということを意味しているのでしょう。

 

この点についても、やはりジャパリパークに限っては余り目立つ特徴とはいえません。何しろ、劇中ではかばんちゃん以外のヒトが登場したことはなく「ヒトには多様性がある」ということを確かめるために比較する対象がないからです。

 

助手が語るヒトの特徴

次に、助手があげた特徴について考えてみましょう。

 

群れる・長距離移動ができる・投擲ができる・それなりの大型

 

「群れる」という点については、かばんちゃんは当てはまるとも当てはまらないともいえない状況です。かばんちゃんの旅にはサーバルとラッキービースト(ボス)という連れが常に付き添っていますが、これが「群れ」に当てはまるかどうかはなんともいい難いところがあるからです。サーバルがかばんちゃんについてきているのは自主的な意志ですし、ラッキービーストは単にガイドとしての役割を果たすためについてきているだけに過ぎません。

 

長距離移動ができるという点は、珍しく劇中で明確に確かめられたかばんちゃんの特徴です。1話でさばんなちほーを闊歩したシーン、7話で「クイズの森」を何度も往復したシーンでのサーバルとの疲労度の比較などで描かれています。

 

投擲ができるという特徴も、1話の紙飛行機を飛ばしたシーンで裏付けられています。しかし、6話でアラビアオリックスがヘラジカ(サーバルが変装した偽者)を狙ったシーンなど、フレンズにも投擲は可能なためヒト独自の特徴と断言できるほどの描写ではありません。

 

「それなりの大型」という特徴については、けものフレンズにはフレンズ以外の動物がほとんど登場しないためあまり目立たないものの、「劇中での描写はないが、登場人物たちにはおそらく理解できること」だと考えておいていいでしょう。

 

道具を作り、使用するかばんちゃんは間違いなくヒト

このほか、助手は「道具を作り、使うという特徴に注目していると語りました。フレンズの中には一部道具を使うものもいますが、道具を作る能力があるものは限られています。たとえば2話で登場したジャガーはいかだを使って人々を運んでいましたが、あれはおそらく壊れた橋げたを利用したものでジャガーが作ったものではありません。

 

また、5話に登場したアメリカビーバーもまた道具を作り、使っていますが、あれは元々ビーバーという動物が人間以外に道具を作る珍しい動物であるということ、図書館で家の見本(ログハウスの写真)をもらってきていることなど、例外的な条件がいくつか重なっています。

 

そうしたケースを除くのであれば、道具を作り使用するかばんちゃんの活躍は「ヒトの特徴」を表す有力な証拠と言っていいでしょう。

 

けものフレンズは、ヒトとヒト化した動物の関係がテーマ

ここまでご説明してきてお分かりいただけたと思いますが、サーバルが語ったとおりヒトの特徴にはフレンズと共通している部分がたくさんあります。その理由について、博士は「フレンズは動物がヒト化したものなので、似ているのは当然」と説明しました。

 

フレンズが「ヒト化した動物」であろうということは、ラッキービーストのセリフを始めこれまでの劇中での描写からも推測できた事実です。サンドスターがどのような効力を発揮して動物をヒト化させるのかはわかりませんが、これは極めて重要なポイントだといえるでしょう。

 

この事実が明言されたことで、けものフレンズは「ヒト(かばんちゃん)と、ヒト化した動物(フレンズ)はどのような関係を築いていくのか?」がひとつの大きなテーマである、ということが示されたことになるからです。

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Webライター・マーケティングコンサルタントとして活動しています。実務を通じて学んだマーケティングに関するノウハウや最新情報をわかりやすく提供していきたいと思っています。 また、時事に関わるニューズをマーケティング・ライティングといった切り口から解説してみたいと思います。

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