けものフレンズ6話感想その3:ライオンとプライド(群れ)と合戦

 

けものフレンズ6話感想その2:そうげんの城とライオン

 

【Aパート ライオンの豹変】

ライオンの質問に言いよどんでしまったかばんちゃん。2人を「自ら処分する」とオーロックス、アラビアオリックスを下がらせたライオンはおもむろに立ち上がり・・・。

 

かばんちゃん:うっ・・・。た、たたた食べるなら僕を・・・。

サーバル:あわわわわわわ・・・。

ライオン:はぁ~。疲れた疲れたー!(寝転がる)

かばんちゃん:えっ?

ライオン:あっ、君たちも楽にしなよ。プライドの手前、部下にはリーダーっぽくしなくっちゃでさー。

サーバル:えっ、うん。

かばんちゃん:あっ、はい。

ライオン:いやー、メンゴメンゴ。ちょうど来週合戦でね。みんなピリピリしてるんだ。

サーバル:びっくりしたよー。

ライオン:あははは、タイミング悪いときにきたね。

 

すっかり気が抜けてリラックスしたライオン

直前のシーンまでは、低い声で独特の緊張感を漂わせていたライオンですが、オーロックスたちがいなくなるやいなやすっかりリラックスして寝転がってしまいました。かばんちゃんとサーバルもあまりの豹変ぶりにあっけにとられていましたが、しばらくしてライオンに敵意がなかったことがわかると気を許して話ができるようになります。

 

ライオンに「処分」されると思い込んだ瞬間、「食べるなら僕を」をかばんちゃんがサーバルをかばっていたのが印象的です。かばんちゃんは初登場字以来、(主にサーバルに対して)「食べないでください」と繰り返し発言しており、彼女にとっては「食べられる」というのが最大の脅威だと感じていることがわかります。

 

ライオンのプライドは初の「上下関係がある組織」

ライオンは、緊張感を持って接していた理由として「プライド(群れ)の手前、部下にはリーダーっぽくしなければいけない」と説明しました。このことからもライオンがプライドの長であり、オーロックス、アラビアオリックスは彼女の部下という位置関係にあることが確かめられました。

 

6話で登場したプライドは、「異なるフレンズ(動物)同士の群れ」なのが特徴だと以前の考察でお伝えしましたが、もうひとつのポイントとして「上下関係が存在する」という点が挙げられます。ライオンが「リーダー」であり、オーロックスたちは「部下」という関係性を持っていますが、フレンズ同士に身分の上下があるのは物語上初の展開です。

 

プライドのメンバーはすべて元々「群れをなす動物」

彼女たちはなぜこのような群れを形成しているのでしょうか。考えられるのは3話で登場したアルパカ・スリやトキが「仲間を探していた」のと同じ理由。つまり、「動物だったころの習慣でそのまま群れをつくっている」というものです。フレンズは基本的に動物1種につき1人しか登場しませんから、別の種類の動物のフレンズと群れをつくっても不思議はありません。

 

現在確認されているプライドの構成メンバーは、ライオン、アラビアオリックス、オーロックスですが、彼女たちには「元々群れをなす動物である」という共通点があります。肉食獣であるライオンと草食獣であるアラビアオリックスやオーロックスたちが同じ群れをつくっているのはおかしい気もしますが、フレンズになるとほかの動物を食べることはなくなるため一緒に群れをつくることも可能になるのでしょう。

 

合戦前でもライオンが「ピリピリしていない」理由

しかし、いくら動物のころの習性で群れをなしているとはいっても、それだけではかばんちゃんたちに向けられた「敵意」がなぜあれほど強かったのかはわかりません。その理由はライオンによる説明で明らかになります。「合戦が近いからみんな気が立っていた」というのです。

 

「合戦」の詳細については次回の考察に譲るとして、ライオンの説明によると「合戦を来週に控えているからみんなピリピリしている」とのことでした。言い換えると、「合戦が近い日でなければこれほどピリピリしていることはない」といえるので、まさにライオンがいったとおり「来るタイミングが悪かった」のかもしれません。

 

気になるのは、そういうライオン本人は「まったくピリピリしていない」ところでしょう。次回以降の考察で詳しく説明しますが、ライオンは「合戦」にあまり乗り気ではなく、だからあまり気が立っていないという理由もあるのでしょうが、理由はそれだけではありません。

 

ライオンは、アニメ「けものフレンズ」に登場するフレンズの中でも極めて「頭の切れる」フレンズです。知識や技術に優れているというのではなく、物事の考え方や捉え方がとても優れています。

 

今回のかばんちゃんたちとの出会いにしても、部下の前ではリーダーらしく振る舞い、しかも部下を退出させた後でかばんちゃんたちと会話するなど、自分を客観視して周りの様子に合わせて態度を変えるなど極めて難しい立ち振舞をしています。このライオンの特徴はこの後のシーンでも随所で見られるので、その都度詳しく解説したいと思います。

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「けものフレンズ6話感想その3:ライオンとプライド(群れ)と合戦」への2件のフィードバック

  1. フレンズに「来週」という概念があるのが意外ですね(´・ω・`)
    日が上って落ちるという「一日」が重要なのは動物も同じでしょうが、1週間というのは宗教や天文学によって発生したり、仕事や勉強における平日と休日を区別するために存在しているのです。いずれもフレンズと関係のある事柄には見えないのですが、博士により太陽暦の教育や使用の義務付けが行われている…?

    1. 私の考えでは、週の概念は人間の文化由来で伝わったものだと思います。

      スナネコの「熱しやすく冷めやすい性格」や、タイリクオオカミの「嘘をつく」という習性もそうですが、それぞれのフレンズの特徴自体にも人間の文化由来と思われるものがあります。
      (「熱い性格・冷たい性格」という言葉の比喩表現も、「オオカミ少年」も人間が作り出した概念です。)

      これらはメタ的な視点で見れば「キャラ付け」なのですが、ストーリー上は「サンドスターによる変化(フレンズ化の影響)」と解釈できます。
      スナネコの性格やオオカミの習性は、誰かに教わったものではなくフレンズ化に伴って自然と身についたものでしょう。

      つまり、物語上は、

      ・スナネコは「熱い・冷たい」と、オオカミは「嘘」と【元々馴染みが深い動物だったのだ】
      ・だからヒトはスナネコの体質にちなんで性格の起伏を温度の高低で表現し、「嘘をつく人間の寓話」を考えるとき、その物語にオオカミを登場させたのだ

      と解釈してもいいわけです。「ヒトが作り出した文明や文化の背景には、気付かないレベルで動物の影響が及ぼされている」と言い換えることもできます。
      この解釈だともう完全にSFの世界ですね。

      人間が週の概念を生み出したのは、実際には宗教や天文学の影響が原因だったんだろうけれども、
      けものフレンズの物語上は「ヒトは忘れてしまったが、実は週の概念は動物にとって大切なものだった。その名残で暦を使うようになったときヒトは7日を1週間と定めたのだ」と解釈しても一応の筋は通ると思います。

      実際にはこんなトンデモ設定は絶対ないでしょうけど・・・。

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